マリの暑さと日本の暑さ
アフリカって暑いんでしょ?と良く聞かれる。
確かにマリは暑い。
しかし日本の暑さも相当なものだ。
これは私の知るアフリカの人たちみんなが口を揃えて言う。
マリの暑さと日本の暑さは種類が違う。
湿気が苦手な私にとって、日本の暑さは耐えがたい。以前はエアコンが好きではなかったが、昨今はもはやエアコンなしでは日本の暑さを乗り越えられる自信がない。
そりゃ、庭や縁側があるような日本家屋に住んでいるなら、エアコンなしの方策もあるだろうなと思うが、都内の小さなマンション生活では本当に難しい。
(私の部屋は窓を開け放つと、隣のお宅が窓に設置した換気扇から直接出している煙草の煙をそのまま呼び込むことになる。これは本当にたまらない)
マリは暑い。すごく暑い。
ニジェール川を挟んで展開する首都バマコであっても、40℃を超えることが珍しくない。
しかし湿度が低いため日本の暑さのような不快感はない。
どのくらい低いかというと、朝に洗濯をして、ポタポタと水が落ちるような状態の洗濯物をロープにかけておくと、お昼を待たずに乾いてしまう、というくらい。
暑さに不快感がないので、気をつけないと知らぬ間に熱中症や重度の日焼けをしてしまう。
私は10年前、最後にマリに行った時に油断して何も気にせずに動き回り(といっても出不精の私の“動き回り”はたかが知れている)、みごとに両方経験し、2日間を無駄にした。
バマコに一年いた時は、いつも濡れタオルを被っていた。
帽子はあまり好きでなく、日焼け止めも面倒で塗っていなかった私にとって濡れタオルは立派な日よけであり、気化熱の法則を利用した“涼感アイテム“だった。本当にめちゃくちゃ涼しいのだ。しかしすぐに乾いてしまうので、何度も濡らし直す必要がある。
日本じゃ濡れタオル被って歩けないもんねえ。
歩けたとしても、この湿気じゃどのくらい涼しいかわからない。まあ濡れタオルが無理なら涼しい素材のストールとかを被るのがいいかもね。
頭に布を被る行為は、宗教など別の意味を含むことがあるが、そもそもは日よけや雨よけなど、自然から自分を守るものだったのではないかと思う。
ミネコ