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積み上げてきた知識はプライドになる

転職をして3ヶ月が過ぎた。 
27歳にして未経験の企画職へのチャレンジだ。
(転職の経緯については、
別の機会に記そうと思う。)

経営学部でもなかった私は、
企画がどうやって生まれるのか、
そもそもどのように考えたらいいのか、
どう伝えれば理解してもらえるのか、
右も左もわからなかった。し、今も勉強中だ。

大大大大嫌いで、
心を擦り減らして出社していた前職とはなにもかもが違っていた。

散々悩まされたお局戦争もないし、
有名無実な上司もいない。
あんな人間になりたくないと思わせるような先輩もいないし、
無理をして上司に気に入られようとする人もいない。

カルチャーショックとはこのことだと思った。
みんな、上司に変に媚びないから、
悪口も出てこない。
やりたいことをやりたいようにする。
極めて健全な職場だった。




ただ

唯一、

前職にあって、新しい職場にないものがあった。
それは、〈教育制度〉。


前職は新卒400人採用。
名刺交換、電話のマナー、
社内での立ち回りなど細部に至るまで
新卒はみっちり仕込まれた。


一方、新しい職場は、
個人の力量によるところが大きく、
社内では個人商店と揶揄されている。

先輩に目を向けると、
たしかに。
まったくマニュアル化されていない。
職業柄もあるが、属人化の極みだった。
それぞれが書籍を読み、基礎知識を身につけて、
経験を積んで、視野を広げたり、
周りのアイディアを盗んだりして
スキルアップをしてきたようだった。


だからこそ。
本人たちが頑張ってきて積み上げたものを
横取りするやつは警戒されるように感じた。

質問をすると、
「やり方は個人の自由だから」という名のもと、
結局曖昧にかわされたり、
「わたしがやっちゃうよ」泥棒にあったり。
私の一つ前に入った先輩は、いっていた。
「○○さんはここまでは教えてくれるところと
教えてくれないことの線引きをしっかりしてる」
「一線を越えると全く教えてくれないんだ」と。


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.
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裏を返せば。

それだけ苦労してきて積み上げたものを
易々と人に渡したくないということ。
器が小さいと思われても、
後輩がはやく育たなくても、
同じように苦労して掴んで欲しい。


一つ前に入った先輩はそれに不満を言っていたが、
私は共感もできた。

わかる。
「ぱっと出のやつに積み上げたものを取られたくないよね」

自分にしかできない仕事にするために
努力をしてきた。
そして、それだけプライドがあるんだろう。


むしろ「いいな」とさえ、思った。

前職のマニュアル化された仕事は、
誰にでもできる要素が大きくなり、
物足りなく感じて、退職に至った。

自分にしかできないかとどうかはわからないが、
少しでもそういうものにチャレンジできれば
と思った未経験業界だ。
自分の作ったものにプライドのある人と働くのは
楽しいかもしれない。

またまだ新米。
自分がそんな風になれるかわからないが、

私はきらきらした目で
新しい職場の先輩方をみている。

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