びわこねこカレンダー
授業から帰ってきたら、来年のカレンダー「びわこねこ物語」が届いていました。尊敬するカメラマン太田康介さんが、1年7か月にわたって撮り続けてきた、びわ湖のほとりで暮らす猫たちの写真で作られたカレンダーです。
太田さんとは、東日本大震災の後出会い、たいへんお世話になりました。太田さんの本、福島第一原発20キロ圏内で助けを待ち続ける動物たちの記録「のこされた動物たち」「待ちつづける動物たち」に衝撃を受け、太田さんの車に乗せてもらって、何度も福島の猫たちに会いにいきました。地域猫と太田さんの物語は、『夜廻り猫』にも描かれています!
今、太田さんはびわ湖のほとりで暮らす22匹の猫たちを見守り、撮影を続けています。
通りかかった人には、のんびりと暮らす幸せそうな猫に見えるでしょうが、毎日餌を運んでくれる人たちがいなければ、たちまちひもじさに苦しむことになります。暑さ、寒さ、悪天候、病気、けがなど、思いがけない危険がひそむのが、外で暮らすということ。
22匹には名前があり、それぞれの性格があり、付き合いがあり、暮らしがあります。それを知っている太田さんは、どれだけの時間を猫とともに過ごして、撮影されたのだろうと思います。1年7か月の間に、2匹の猫たちが亡くなり、2匹が家の猫になり、1匹が行方不明になったそうです。
1匹でも多くの猫が家の中に入るための手助けをしたい。そんな思いで作られたカレンダーです。
助けが必要なのは、でも、”びわこねこ”だけではありません。「びわこねこの仲間たちが、あなたのお住いの近くにもきっと暮らしているはず。そんな猫を迎えてあげてください」というメッセージを、黒猫ドリーちゃんのぬくもりを膝に感じながら読みました。これから寒くなります。幸せな猫が増えますように。猫が幸せじゃない国は、きっと人もあまり幸せじゃないのです。