川本喜八郎人形ギャラリーで「三国志」と「平家物語」の人形たちに逢ってきました
東京・渋谷のヒカリエで時間をつぶす必要があったのでウロウロしていると、8階に「川本喜八郎人形ギャラリー」というのがあるのを発見。
入場無料の展示だったので、拝見することにしました。
令和5年6月4日からの展示は「三国志」と「平家物語」で使用されたもの。11月19日までの展示で、また展示替えがあるようです。
「三国志」は1982年にNHKで放送された人形劇。「平家物語」は1993年にNHKで放送された人形歴史スペクタクル。
つい最近も「平家物語」が再放送されていて、私も再見していろいろな発見があったので、改めて番組を思い出したりしながら、ガラス越しの登場人物を間近で感じる貴重な時間を過ごすことができました。
「三国志」も「平家物語」も人形劇的には内部から各所を操作するパペット・スタイルで、展示されていた人形も外見は市販の五月人形の変わらない姿だったりします。
ひとみ座のエントランスには「ひょっこりひょうたん島」など手がけた人形たちの一部が飾られていた記憶があるのですが、それらは主に棒遣いだったり繰繰り(マリオネット)だったりして、それに比べると川本喜八郎作の人形は圧倒的に単体の人形としての存在感が強く、そのキャラクターによってストーリーが厚くなっていたということに気づかされました。
もうひとつ気がついたのは、目が塗りで作られていたこと。
人形を単体で存在させるためにガラスなど光る素材を用いたりするわけですが、川本人形はベタで塗ってあるだけ。文楽の頭のような細工もほとんど見られませんでした。
これであれだけの演技を可能にしてしまっていたことに驚いたのと、やはり動いてこそ(動かしてこそ)の存在としてデザインされていたのではないかと思った次第。
つまり、方法論的には能の面(おもて)というか、2Dの絵を動かすアニメにも通じるものがあると思ったわけです。
近くに行く用事があって時間があったら、また立ち寄りたい場所になりました。