33年前のこと
ディズニーの「ファンタジア」を観たのは有楽町だった。職業柄、観とかなきゃいけない作品だった。帰りの有楽町線車内でおばさんに声をかけられた。
「まあ、懐かしい!」
持ってた「ファンタジア」のパンフレットのことだった。「この映画、ずいぶん昔に見たことがあるのよ」「今やってるんですよ」「そうなの?今やってるんですか!ちょっと見せてもらっていい?」「どうぞ」
おばさんはパンフレットを手にとり、懐かしむようにゆっくりページを送った。
「どうもありがとう、とても素敵だった。また観たくなったわ」「今週中なら間に合いますよ」と、劇場を教えてあげた。