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イーオンズ・エンドにおける基本思考-回転効率編-

ご挨拶

こんにちは、Uttiyウッチーです。
前回の記事の最後に、次回からはイーオンズ・エンドのカードの紹介と考察をすると書きました。
が、実際に記事を書き始めると、基本的に意識したいことのいくつかを事前に共有していなかったので、
カードの考察が無駄に長くなってしまいました。
そこでまずはこのゲームにおける私の基本思考についてお話しようと思います。

諸注意

基本思考、と題しましたがこれは筆者個人の考え方における基本であり、
全てに通ずる基本であるとは考えておりません。
異議・異論は大いにあるかと思いますが、一個人の意見ですのでむきにならず、
あー、そういう考え方もあるのね、くらいに捉えていただきたく存じます。
また、当noteはHowtoを説くものではありませんので、細かいルールの説明などはしません。
一応論理的な思考のお話になるので、他のゲームに応用できる部分もありますが、
ルールやプレイ感のない方には分かりづらい部分もあるかと思います。
悪しからず、ご了承くださいませ。
イーオンズ・エンドのコストはエーテルと言います。
以後当note内ではエーテルをeと表記します。

基本思考

目次

・回転効率→取得厳選、デッキ圧縮 ※今回解説します
・猶予時間→全体ターン数、必要ダメージ逆算 ※次回
・最大出力→上限手札枚数、初期デッキ構成 ※次々回

回転効率

デッキ構築系のゲームや、TCG(トレーディングカードゲーム)における基本的な思考になります。
※TCGにおいては回転効率というよりは、確率上昇が主な目的になります。

ちょっと待て!

面倒臭い計算とか、長々しい解説はいらん!
要点だけ言え!って方はこちらだけお目通し下さい。

要約

強いカードを沢山使いたいなら
1.そのカードを沢山取得しなさい
2.その他の取得するカードの枚数は極力減らしなさい
3.追加ドロー効果のあるカードを使いなさい
4.デッキの枚数を減らす(破壊効果)カードを使って弱いカードを除外しなさい以上です。

以下からは理論、期待値や確率のお話です。
細かい計算は省いていますが、数字が沢山出てくるので、興味のある方だけ読んで下さい。

改めまして……

さて、ここで一つ質問です。
特定のカードをできるだけ沢山使うにはどうすればいいでしょうか?

はい、そうです、一番簡単なのはそのカードを沢山デッキに入れることですね。
イーオンズ・エンドの場合はそのカードを沢山取得すると言い換えることができます。
では、具体的にその効率を考えてみましょう。

イーオンズ・エンドでは同じカードは宝石は7枚、遺物・呪文は5枚しかありません。
仮にとても強い呪文があって、その5枚全て自分が取得したとしましょう。
初期デッキが10枚あるので、デッキのトータル枚数は15枚となります。
各ターンで補充できる手札の枚数は最大で5枚なので、
15枚のデッキを使い切るのに3ターンは掛かります。
言い換えれば、特定の呪文5枚全てを使うのに3ターン掛かるということです。
※実際にはセットからキャストまで1ターン掛かるので、セットしたままデッキを使い切ってしまうこともあり、
この場合3ターンで3,4枚しか使えない事になりますので、以下の計算結果より期待値は下がります。

e.g. 取得枚数毎の効率

・特定のカード1枚取得、デッキ総数11枚
 →2.2ターンでデッキ一周、1ターンあたり0.45枚特定のカードを使える
・特定のカード2枚取得、デッキ総数12枚
 →2.4ターンでデッキ一周、1ターンあたり0.83枚特定のカードを使える
・特定のカード3枚取得、デッキ総数13枚
 →2.6ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.15枚特定のカードを使える
・特定のカード4枚取得、デッキ総数14枚
 →2.8ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.43枚特定のカードを使える
・特定のカード5枚取得、デッキ総数15枚
 →3.0ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.67枚特定のカードを使える

とは言え、上記は理想論であり、
実際のゲームではその呪文を取得する為に上質な宝石を何枚か取得するでしょう。
加えて、それ以外にも呪文や遺物も取得するでしょうから、
デッキの枚数は20枚前後になる事が想定されます。
仮に20枚なら4ターンでデッキが一周します。
25枚なら5ターン、30枚なら6ターン……
とこのようにデッキの総数が増えれば増える程、デッキが一周するのに必要なターンが増えます。
デッキが一周するのに必要な時間が増えれば増える程、特定のカードの使用頻度は減ります。

e.g. デッキ総数毎の効率

※特定のカード5枚取得の時
・デッキ総数15枚
 →3ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.67枚特定のカードを使える
・デッキ総数20枚
 →4ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.25枚特定のカードを使える
・デッキ総数25枚
 →5ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.00枚特定のカードを使える
・デッキ総数30枚
 →6ターンでデッキ一周、1ターンあたり0.83枚特定のカードを使える

以上の点から、デッキの総数は少ない方がよいと考えられます。
なので、不要なカードは取得しない、取得カードの厳選が必要、となるわけですね。

ではもう一歩踏み込んでみましょう。

上記以上の効率を望むために私たちにできることとは?
はい、それが冒頭で述べたデッキ圧縮という作業になります。
デッキ圧縮には二つの方法があります。
一つはドロー加速、もう一つがカードの除外です。

ドロー加速

直感的にはドローを加速する、つまりドロー回数を増やすと聞こえるこの言葉ですが、
ドローによって回転速度を上げる、という意味の加速だと私は考えています。

ドローをする事で回転速度が上がる?

このゲームは手札の補充が毎回最大5枚であることを述べましたが、
仮に毎ターンカードを1枚ドローするカードを使ったらどうなるでしょうか?

毎ターン1枚ドローできるようになるということは、手札補充が5枚から6枚になったと言い換えることができます。
すると3ターンで一周した15枚のデッキは2.5ターンで一周し、、
4ターンで一周した20枚のデッキは3.33ターンで一周するようになります。
一周するのに必要なターン数が減れば、当然特定のカードを使用する頻度は増えるわけです。

e.g. ドロー加速による効率の変化

※特定のカード5枚取得、デッキ総数20枚の時
・追加ドロー無し
 →4.00ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.25枚特定のカードを使える
・毎ターン1枚追加ドロー
 →3.33ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.50枚特定のカードを使える
・毎ターン2枚追加ドロー
 →2.86ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.75枚特定のカードを使える
・毎ターン3枚追加ドロー
 →2.50ターンでデッキ一周、1ターンあたり2.00枚特定のカードを使える

ドローを強化する事で、デッキが一周するのにかかる時間を減らす、ということですね。
ただしイーオンズ・エンドにはドローソース(ドロー効果を含むカードや能力)があまりに少ないので、
先に挙げたもう一つのカードの除外が主になります。

カードの除外

イーオンズ・エンドではこの効果を破壊、と表現しています。
デッキからそのカードを除外し、以降そのカードを登場させなくするわけです。

えぇ?!それってちょっと……

はい、そうですね、もったいない、そう感じる人もいると思います。
実際私も数多くのTCGを経験してきましたが、
カードを捨てる、あるいは除外する効果はデメリットだと思っていました。
折角デッキに入れた強いカードを使わずに捨ててしまうなんて、機会損失以外の何物でもないじゃないか!と。

では、具体的な数字を含めて考えてみましょう。
カードを破壊する、つまりデッキの総数が減るわけですが、そうなるとどうなるのか。

e.g. カードの除外による効率の変化

※特定のカード5枚取得、手札補充5枚、追加ドローなしの時
・デッキ総数20枚の時
 →4.00ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.25枚特定のカードを使える
・デッキ総数18枚の時
 →3.60ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.39枚特定のカードを使える
・デッキ総数16枚の時
 →3.20ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.56枚特定のカードを使える
・デッキ総数14枚の時
 →2.80ターンでデッキ一周、1ターンあたり1.79枚特定のカードを使える
・デッキ総数12枚の時
 →2.40ターンでデッキ一周、1ターンあたり2.08枚特定のカードを使える
・デッキ総数10枚の時
 →2.00ターンでデッキ一周、1ターンあたり2.50枚特定のカードを使える

不要なカードを取得しない、の時に述べた通り、
デッキの総数が少なければ少ないほど、回転効率は上がります。
ということは、元々の枚数よりも更に少なくなれば、よりよい効率が望める、というわけです。
直感的にもったいないと思っていた除外効果ですが、
それ以上の利益が望めるのであれば、やらない手はありません。

ドロー強化はデッキ一周にかかる時間を減らしたわけですが、
カード除外はデッキ一周に必要な時間を減らしているのです。
どちらもデッキ周回効率を上げているので、大別すれば意味は同じというわけですね。

カード除外の注意

ただし常に留意すべきは、カードの除外はデッキの濃度を濃くさせる点です。
不要なカードが減る、逆を返せば大事なカードの比重が増す、つまり余裕がなくなるのです。

イーオンズ・エンドはネメシスの攻撃によって、自分のカードを破壊しなければいけない時があります。
例えば自分のデッキから全ての水晶を取り除き、宝石が2枚と呪文6枚からなる8枚のデッキで戦っていたとしましょう。
確かに、毎ターン3枚の呪文をキャストし、新たに3枚の呪文をセット、2枚の宝石を使ってチャージと立ち回れば、
手札補充の5枚はそのターンにキャストした呪文3枚と使った宝石2枚となり、完全なループが完成します。

しかしここで、手札のカードをコストの高い順に3枚破壊することとなり、宝石2枚と呪文1枚が破壊されたとします。
この瞬間、デッキの総数は5枚となり、その内訳は全て呪文となりました、何が起きるでしょうか?

これ以降自分ができる行動のループは
・3枚呪文をキャスト、2枚呪文をセット、使った3枚の呪文を手札補充
 →2枚呪文をキャスト、3枚呪文をセット、使った2枚の呪文を手札補充
または
・4枚呪文をキャスト、1枚呪文をセット、使った4枚の呪文を手札補充
 →1枚呪文をキャスト、4枚呪文をセット、使った1枚の呪文を手札補充
のどちらかのパターンとなります。
※恣意的にずらすことも可能ですが、ロスを生むだけであまり意味がありません。

この時のロスをまとめると以下の通りです。
・2ターンで6枚キャストしていた呪文が5枚になる
 →毎ターン0.5枚分のダメージロスが発生
・毎ターン5枚補充していた手札が2ターンで5枚となる
 →毎ターン2.5枚のドローロスが発生
・毎ターン5枚存在していた手札が2ターンで5枚となる
 →毎ターン2.5枚の手札ロスが発生
・毎ターン宝石によって得ていたeが完全に消失
 →コスト発生源を完全に失ったため、新たなカードの取得ができなくなる

一番辛いのが最後のコスト発生源の消失です。
コストがなければコスト発生源となる新たな宝石を取得する事も叶いませんので、
これ以降更に苦しくなることはあっても、よくなることは完全になくなってしまったのです。
と言った具合に、最高効率でのプレイは確かに強いですが、
裏返せば不測の事態に対応するだけの余裕が一切ないというわけです。

また、それだけ完璧な状況を作る為にはそれなりの労力が必要となり、
そこに至るまでの時間を考慮すると、トータルで非効率になってしまう事がままあります。
というよりほとんどの場合そうなります。

思い出そう!

何事もバランス、圧縮に固執してしまったが故に呪文不足でミニオンの処理が間に合わず負けてしまっては元も子もありません。
忘れないで下さい、このゲームの目的は理想のデッキを作る事ではなく、自分達が負けずにネメシスを倒すことです。
適度に呪文を取得・キャストしてダメージを出しながら、適度に破壊をしてデッキを圧縮して回転効率を上げる、それで十分なのです。

さて、大分長くなってしまいましたね、最後まで読み切れた方はいるのでしょうか。
恐らくですが、大概の方は読み飛ばしていることでしょう。
次回はそこまで長くならないと思います、同じく数字の話にはなりますが、確率の話はここまでですので。
お疲れ様でした、次回もよろしくお願いします。

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