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観光に関する論文を読んでいく。vol.7

気になる論文をピックアップし、それをAIに要約させたものを読んでいく。
今回取り上げる論文は、

「ポスト・コンテンツツーリズムにおける 場所・モノの資源化 ——メディア化する空間で錯綜するコンテンツと観光——」

著者:齋藤 光之介

以下chatGPT-4oによる要約

主題と目的

本研究の主題は、ポスト・コンテンツツーリズムにおける場所やモノの資源化のメカニズムを解明することです。特に「アニメ聖地巡礼」に焦点を当て、既存の観光地がコンテンツの「聖地」として変容していくプロセスを考察します。これにより、参加型文化としてのファンのコミュニケーションがどのように観光現象に影響を与えるかを明らかにします。本研究の目的は、観光地がコンテンツの舞台となる過程や、ソーシャルメディアがそれに与える影響を分析し、新たな観光空間の出現を理解することです。

方法論

本研究では、静岡県浜松市の浜名湖佐久米駅における「アニメ聖地巡礼」を対象にフィールドワークを実施しました。調査は2022年8月と2023年7月の2回にわたり行われ、現地での観察と「観光地ノート」に書かれたメッセージの内容分析を通じて、コンテンツツーリズムの実態を明らかにしました。さらに、既存の観光研究やコミュニケーション理論を参照しながら、観光地の「場所・モノ」がいかにして観光者の行為を媒介するかを考察しました。

主要な発見や結果

調査結果から、浜名湖佐久米駅は『ゆるキャン△』の放送後に観光地として大きく変容しました。「観光地ノート」に書かれた内容は、放送前はユリカモメや鉄道ファンによるものが主であったのに対し、放送後は『ゆるキャン△』関連の書き込みが急増しました。これは、アニメが観光客を引き寄せ、地域の観光資源を新たな文脈で再解釈することを示しています。また、コンテンツツーリズムが既存の観光リソースを利用しながら、新たな参加型文化を創出するメカニズムが明らかになりました。具体例としては、観光地ノートへの書き込みや、アニメキャラクターのイラストが描かれた絵馬の奉納が挙げられます。

結論

本研究は、ポスト・コンテンツツーリズムにおける観光地の変容を詳細に分析し、観光地が「メディア」として機能する新たな観光現象を明らかにしました。ファンカルチャーは、単なる消費行動にとどまらず、地域社会や観光業者との相互作用を通じて新たな観光資源を創出する力を持っています。しかし、こうした文化創出の過程には、観光業者や制作者による計画的な介入も含まれており、それがファンの自発的な創造性を抑制する可能性も指摘されます。今後の研究では、こうした動態をさらに詳細に追跡し、観光地の持つ「メディア性」を多角的に検証することが求められます。


感想

ファン心理として、コンテンツ提供側が意図しない楽しみ方をファン自らが開発するから楽しい、という側面が根本にはあるのだと思う。しかしそのような楽しみ方ができるのは、コアな一部のファンだけであり、また提供側のコントロール外にあるため、制御が難しく、ビジネスとしての成立は困難なのだろうとも思われる。
ビジネスとして成立させるためにあらかじめ計画的に用意する部分と、ファン自らが開発できる余地と、そのバランスを成立させることができるか否かが成否を分けるのかもしれない。

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