【学会誌】ファインバブルによる洗浄技術
こんにちは。
『表面技術』2022年12月号を読んでいるので、備忘録的に記録しておきたいと思います。
12月号の特集はカーボンニュートラルに貢献する表面技術です。
今回読んだ記事のタイトルは『環境にやさしい洗浄技術-ファインバブルの適用』で、著者は高知工業高等専門学校の秦さんです。
記事の内容
ファインバブルを用いた洗浄技術の研究成果の紹介です。
ファインバブルは粒径100μm以下の気泡で、大きさによってマイクロバブル(1~100μm)、ウルトラファインバブル(1μm未満)に分けられます。
これらの組み合わせや気泡密度を変えて洗浄力を比較し、ファインバブルの有効性を示しています。
ポイント
ファインバブルは疎水的吸着場となるので、水中に浮かぶ油分と吸着する効果がある
ファインバブルの量が増えるほど洗浄力は上昇する。
ウルトラファインバブルだけよりもマイクロバブルとの併用で効果が向上する
気泡密度が多いほど洗浄力が高い
攪拌することで洗浄力が向上する
ファインバブルを用いると従来の約半分の水量で同様の効果が得られる
野菜の洗浄
この記事の中では、高知の主幹農産物であるショウガの洗浄にファインバブルを適用した例を示しています。
ショウガを洗浄するときは水圧をあげすぎると傷がついてしまったりするため、水圧をあげなくても洗浄効果の得られるファインバブル洗浄と相性がいいようです。
その他の野菜や傷つきやすいものの洗浄にも使えそうです。
表面積が大きい
ファインバブルは表面積が大きくなるので表面処理技術の中でも重要な要素となりつつあると感じています。
処理液の建浴やエアレーション、脱気時の窒素バブリングなど、混ぜたり、気泡を使ったりする要素技術は多くあり、気泡の表面積が大きくなるほど、これらの効果が大きくなることが多いからです。
環境面だけでなく、生産性や性能面でも効果がありそうなので、注目すべき分野なの一つかなと思います。
今日は以上です。