【学会誌】表面技術2024年8月号

こんにちは。
表面技術2024年8月号の記事の内容をメモっておこうと思います。


小特集

電気化学触媒評価のための電極表面修飾

著者:東京大学 八木 俊介

内容:水電解に用いられる電極に関する解説。特に触媒粉末で電極表面を修飾する方法、回転リングディスクを用いた評価について、具体的な作業や解析方法がイメージできる内容が掲載されている。

キーワード:#水電解 #電気分解 #再生可能エネルギー #ボルタメトリー #触媒 #評価方法 #電気化学

電気化学的手法により創製した酸化亜鉛 -光触媒,難めっき材のめっきへの適用

著者:宇都宮大学 吉原 佐知雄

内容:酸化亜鉛皮膜の成膜方法に関して概説し、それぞれの成膜方法で作製した酸化亜鉛の光触媒特性を評価。また、難めっき材と言われるエンジニアリングプラスチックへの成膜事例について紹介。

キーワード:#酸化亜鉛 #光触媒 #電気化学 #プラスチック #成膜方法

高アスペクト比マイクロ構造を有するバイオミメティクス高分子シートの製造技術開発

著者:スズキハイテック㈱ ペトルス ヤサヤ サモリ、他

内容:フォトリソと精密電鋳を用いたバイオミメティクス技術に関する解説。具体的にはフナムシの脚表面の構造を利用した濡れ性制御技術に関する説明。車載カメラやLiDARが表面の水滴や汚れで機能しなくなるのを防ぐために必要。突起が並んだ構造による毛細管現象を利用した濡れについて、突起の高さなどを変化して評価。所望の構造を得るための工程は①フォトリソでパターン形成→②電鋳で成形型を作製→③インプリントで成形。

キーワード:#バイオミメティクス #電鋳 #インプリント #フォトリソ #フナムシ #濡れ性 #表面技術

固体高分子型燃料電池用セパレータとしてのステンレス鋼の腐食と表面処理

著者:岩手大学 八代 仁

内容:固体高分子燃料電池の低コスト化に寄与することで期待されているステンレス鋼のセパレータの表面処理技術に関する解説。ステンレス鋼セパレータの腐食挙動の考察した後、解決策の1つとしてTiN粒子を用いた表面処理技術について説明。

キーワード:#燃料電池 #ステンレス #表面技術 #TiN #セパレータ #腐食メカニズム

デジタル印刷による有機トランジスタ集積回路

著者:山形大学 松井 弘之

内容:有機半導体の集積回路応用について概説。フレキシブル近接センサ、パッチ型バイオセンサ、有機オペアンプに適用した研究事例を紹介。

キーワード:#有機半導体 #有機トランジスタ #フレキシブルデバイス #生体適合 #印刷技術 #インクジェット #ナノ粒子

研究論文

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン粒子の高分解能TEM観察

著者:三井・ケマーズフロロプロダクツ㈱ 島谷 俊一、他

内容:PTFE粒子のXRD分析ではらせん構造であることが報告されているものの、実空間での確認はされていないとのこと。そこで、実際にTEMで観察した結果についてまとめた論文。構造が変わりやすいPTFEに対して、球面収差補正機能付きTEMを用いて低加速電圧で観察することで、原子レベルで六方格子状に配列したラメラ構造を観察できた。

キーワード:#分析技術 #機器分析 #高分解能 #TEM #電子源鼻鏡 #PTFE #結晶構造 #ラメラ構造 #高分子 #低加速電圧

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