【学会誌】RtoRフィルムへのAdditive型直接微細加工

こんにちは。
『表面技術』2023年1月号を読んでいるので、備忘録的に記録しておきたいと思います。
1月号の特集は「ウェアラブルデバイス及びインプランタブルデバイスと表面処理」となっていて、人が装着するデバイスや人体内で動作するデバイスに関する内容です。

今回読んだ記事のタイトルは『フィルム表面の光機能化とAdditive型RtoR直接微細加工技術』で、著者はニコンの川上雄介さんです。

記事の内容

エッチングなどを用いないAdditiveな微細配線形成技術を使い、かつ、RtoR搬送でフィルム上に微細配線を形成する技術の説明です。

一般的にRtoR搬送では工程が進むにつれてフィルムに歪みが蓄積されることと長尺ワークの連続処理のため、微細配線を形成することが難しくなります。
ウェハなどのバッチ処理に比べて位置制御などの自由度が低いためです。

微細配線形成工程では、Subtractive(除去)型とAdditive(付加)型のプロセスがありますが、後者の方が工程が少ないため、RtoRには有利ということで、開発された技術のようです。

この記事の技術では、フィルムに光によって特性を制御することが出来る処理を施すことで、光照射だけでパターニングすることが可能になっています。

ポイント

  • 光反応によってアミノ基(NH2)を生成する光塩基剤であるニトロベンジルカルバメート(NBC:Nitro Benzyl Carbamate)を開発することで、フィルム表面表面の濡れ性を光照射で制御可能になった

  • アミノ基はめっき触媒を強固に吸着するため、パターン露光と無電解めっきを組み合わせることで(金属のエッチングなしに)配線パターンを形成することが出来る

  • 本技術によって、L/S=10μm/200μmの両面メッシュ配線パターンを作ることが出来た。また、有機薄膜トランジスタへ応用することもできた

光塩基発生剤について

この技術は、表面技術誌に掲載されているので、表面処理の技術っぽいタイトルになっているが、光塩基発生剤が技術的に重要なポイントだと感じました。

この分野は全く理解できませんが、参考になりそうなURLだけ貼っておこうと思います。

将来的には有機化学もある程度勉強しておかないといけないと感じました。

今日は以上です。

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