『アーテリーギア』クラリスという二度もifエンドをもらった女について
はじめに
みなさん、『アーテリーギア-機動戦姫-』という作品を知っていますか?
たぶん知らないと思います。
本作は2021年11月18日より配信のはじまったソーシャルゲームで、2024年8月13日にサービス終了が発表され、同年11月12日に完全終了しました。
つまり、本作をプレイする手段は現在ありません。
にもかかわらず本作を紹介するため筆を執ったのは、本作のシナリオを重要文化遺産として後世に伝える責務に駆られたからです。
本作のストーリーを簡単に要約すれば、「未知の敵性生物によって人類の正存圏が脅かされているSF」というもので、ソシャゲにはよくある設定といえるでしょう。ゾンビものの亜種ということもできます。
もう少し詳しく書くと、以下のとおりです。
要するに『勝利の女神:NIKKE』とほとんど同じです(アテギアの方がリリースは先です、念のため)。
私はこのアテギアをサービス開始初週くらいからプレイをはじめ、しばらく続けていたのですが、なんとなく飽きてやめてしまっていました。
そして『NIKKE』が二周年を迎えるにあたり、「そういえば似た設定のアテギアというのがあったな……」と思い出し、今どうなってるんだろうと調べてみました。
なんと、サービス終了がすでに決定しており、完全終了まで数週間を切っているではないですか。
逆に言えば、まだ間に合うということです。
なんとなく飽きてやめたとはいえ、決して嫌いになったからやめたというわけではありません。
むしろシナリオは非常に面白いものでした。
しかも、サービス終了とはいえメインストーリーは完結しているというではありませんか。
ならば、やるしかない。
と、大慌てで再開した次第です。
※以下、「饗庭淵」という名がスクリーンショットに登場することがありますが、これはプレイヤーネームであり、要するに主人公のことであるとご理解ください。
クラリスという女について
クラリス・バーナードという女について話をします。
本作のプレイヤーにとって、おそらくは満場一致で最も印象深いといえるキャラクターです。
『アーテリーギア』という作品を語るうえで、彼女を避けて通ることはできません。長々と語らせていただきます。
なお、本記事ではクラリスという女を軸として語るため、それ以外の詳細な設定についてはいくらか省きながら話を進めます。
初登場と当初の印象
クラリスはまず、傀儡に与する組織の一員、悪役として登場します。
どうやら彼女は主人公の過去を知っているらしく、強い執着を持っており、元カノであることを匂わせていました。
悪役として暗躍し、主人公の作戦を何度も妨害します。主人公のことを深く理解しているため、的確に作戦を読んで手を打ってくるのです。
9章においては、いよいよクラリスは主人公の指揮する旗艦に侵入。
主人公の今の女を虐め、主人公の生命を維持しているという「Φパーツ」というアイテムを奪い去ります。
大雑把にいうと、ここまでがクラリスの第一部での活躍です。
本作では主人公の過去も謎に包まれていました。
19年間続く傀儡戦争において、主人公はどうやらその初期から活躍し続けている歴戦の軍人らしいのですが、その記録はなぜか抹消されています。
ストーリー最序盤にヒロインと出会うときも、初対面ではなく再会という形になっています(もちろん、プレイヤーはなんのことやらわからない)。
また、ソシャゲの主人公にはよくあるよう、彼自身は生身の人間であるため後方から指揮に徹しているという設定です。なのですが……。
シナリオ上においては、彼は信じられないほど強さを見せつけます。
傀儡はあらゆる生物・機械を同化する能力を持つため、強い抵抗力を持つAGでなければ基本的には戦えません。
ですが、敵がAGなら……? 人間でも戦えるわけです。
いえ、たしかに理屈の上ではそうなのですが、AGは改造人間なので傀儡化の抵抗力だけでなくビュンビュン飛び回るような高い身体能力も持ち合わせています。ふつうに考えて、生身の人間に勝てる存在ではありません。
そのはずなのですが……。
シナリオ上で主人公は敵AGのボス格をあの手この手の搦め手で倒してしまったりします。
そんなこんなで「なんだこいつ!?」と気になってしまう主人公の過去が、11章にてようやく明かされることとなります。
時は6年前に遡り、主人公は傀儡に対抗するために結成された「連合」という統一政府に志願兵として向かいます。
この時代は、AGが登場する以前です。
つまり、傀儡との戦いは人間の歩兵が担っていました。
ゲームとしては「AGでなければ傀儡に対抗できない」という設定になっているのですが、過去編では人間が傀儡と戦っていたのです。
AG以前では、人間が最も傀儡化に耐性がある(5~20分かかる)という状況で、仲間が傀儡化しそうになったら即射殺するという戦闘教義をもとに戦っていました。当然、兵の消耗率は悲惨なもので、どうしようもない末期戦の様相を示しています。
主人公は、この時代から戦い続け、生き残ってきた人物だったのです。
クラリスと主人公の馴れ初め
「連合」はウェイド・バーナード元帥という人物がトップを務めています。
クラリス・バーナードはこの元帥の娘であり、少尉として主人公と任務を共にすることになります。
当初は、なぜか父親に気に入られている主人公に反発心を抱いていました。
そういうわけで、訓練の模擬戦を挑み打ち負かそうとしますが、ふつうに全敗します。
この主人公、6年後にはAGすら倒していますからね……。
そりゃ勝てませんよ……。
最後の一試合でようやく勝てたと思ったら、クラリスを暗殺しようとしていた小型ロボットを主人公が実銃で撃ち、クラリスを守っていたことが判明。
その後も、クラリスは主人公の男気を浴び続けることになります。
二人でホバーカーに乗りドライブ任務に出かけ、その途中で救難信号を受信。クラリスは「そのうち『連合』が救援に駆けつけるはずよ」(だからほっとけ)と主張しますが、主人公は「我々がその『連合』じゃないか」と反論。
二人は救援に向かいます。
主人公もただ優しいだけではありません。
救援活動から戻ってくるとホバーカーのバッテリーが盗まれていました。
主人公はその盗難犯を見つけ出しますが、犯人は「子供がいるんだ。見逃してくれ」と主張。明らかな嘘です。
主人公は犯人に物資を援助するふりをして、巧くやり込め、人身売買組織の情報を入手します。「悪」に対しては毅然とした態度もとれるのです。
二人はその組織の市場に夫婦という設定で潜入。
しかし治安の悪い犯罪組織です、クラリスがセクハラを受けそうになります。クラリスは思わず銃を抜く――それよりも早く、主人公が発砲します。
強く、賢く、優しい。
こんな男と行動を共にしてしまったら……惚れてしまうのは仕方ないことです。クラリスはもう主人公にベタ惚れになってしまいました。
ニオ・サイレンという卑しい女
ですが、彼らの任務には目標が複数あるため、二人は別行動をとることになります。いわば遠距離恋愛状態です。
その任務の一つが謎の兵器「AG」を回収することでした。
衛星国家「オートルナ」が開発し、それが地上へ逃れてきているという情報があるのです。
そこで、主人公はメインヒロインであるニオ・サイレンと運命的な出会いを果たすことになります。
ですが、クラリスに対しては優しかった主人公が、AGであるニオには妙に当たりの強い態度をとります。そのあと、主人公のことをよく知る人物とも合流するのですが、「なにか悪いものでも食べたか?」と心配されるほどです。
プレイヤーにとっても違和感バリバリの描写が続きます。
その理由は、クラリスが去り際に与えた「命令」にありました。
クラリスは言葉によって生物を操る能力を持つ新人類・セイレーンだったのです(な、なにそれ!?)(急に出てきて正直びっくり)。
クラリスは「任務遂行を確実にするため」という建前で、主人公に対し「誰に対しても冷酷に接するように」という命令を与えます。
誰にでも優しい主人公がAGと仲良くなるのを危惧したためでしょう。
なぜ主人公とAGが仲良くなってはならないのか?
その理由は後述する「任務」のためでもありますが、まあ……私情もあったでしょうね。
その流れ弾で、自分自身も主人公から冷酷に扱われたりします。
厳密にはここは選択肢で、「冷たくあしらう」のと「心配する」内容を選ぶことができます。後者を選ぶとクラリスは上のような反応を見せます。可愛いね。
クラリスへの態度もそうですが、セイレーンの呪縛はじょじょに弱まっていきます。
そしてニオに危機が訪れたとき、主人公はその精神力をもって、セイレーンの呪縛を克服します。
戦闘機は一瞬で傀儡化されてしまいますが、その一瞬でニオを助けるため主人公は戦闘機で飛び出すのです。
結果として、主人公とAGらは強い絆で結ばれることになりました。
それだけでなく、AGとの出会いをきっかけに主人公とクラリスは敵対することになります。
クラリスの本来の任務は、父親であるバーナード元帥の陰謀を手助けすることにあったからです。
元帥がAGの回収を命じていたのは傀儡に対抗する戦力を確保するためではなく、その技術を研究して利用し、傀儡戦争を継続させることにあったのです。
セイレーンの力によって認識を惑わされている隙に、AGは元帥に奪われ、残酷な実験を受けることになります。
救出に向かう主人公、立ちはだかるクラリス。
涙ながらにクラリスはすべてを告白し、銃を向けます。
そして――。
……え?
これって……過去編ですよね??
主人公とクラリスは現在時空では敵対してますよね??
過去編でエンディング分岐?? どゆこと?? なに????????
ここで下の選択肢、「……一緒に行こう。」を選ぶと――
クラリスENDとなります。
二人で「連合」を裏切り、すべてを捨てて逃避行を続けるという結末です。
あるわけない未来すぎて逆に可愛そうでしょ!!!!!
なんでそんな酷いことするの?????
もちろん、上の選択肢が正規ルートです。
そのルートでは、主人公の命を狙ったクラリスはニオによって撃たれます。
メインヒロイン、ニオ
主人公とニオの二人はクラリスを乗り越え、すべての元凶であるバーナード元帥を追い詰めます。
最強の人間と最強AGによって諸悪の根源であるバーナード元帥は倒されます。
が……彼は最期の悪足掻きとして自爆します。
主人公は爆風からニオを庇い、瀕死の状態になってしまいます。
かろうじて生きてるだけで、もはやどうしようもない状態です。
そこでニオは、ある決断を下します。
ニオには「Φパーツ」という時間を停滞させる能力を持つアイテムが埋め込まれていました。ただ、このままでは主人公を延命させるには力が足りません。
よって、AGのコアを傀儡化させることで力を増幅させ、主人公の命を取り留める処置を行うのです。
本来、AGは傀儡化に対し完全耐性を持つ存在だったのです。
一つでも完全耐性をもつAGコアがあれば互いに補完しあうことで自動的に修復されます。なので、ニオは当時現存していたすべてのコアを傀儡化させます。
結果、今後製造されるAGは傀儡化への完全耐性を失うことになります。
現在時空では、耐性はあるもののAGとはいえ傀儡化は避けられないということが常識のように語られています。
ぜんぶ、ニオという女のせいでした。
過去編では、傀儡化に対して完全耐性を持つAGがいれば傀儡戦争はそのうち終結するだろうと楽観的に語られていました。実際、そうだと思います。
しかし、ニオが主人公一人の命を救うためにやらかしたことで、人類はその勝算を失うことになります。
現在時空でAGが実用化され大量に運用されながらも人類が苦戦を続けているのは、ニオという女のせいです。
ニオは、全人類を裏切ったのです。
逆に言うと、主人公とニオはある意味共犯者として、誰にも明かすことのできない秘密を抱えたまま、非常に強い絆で結ばれることになります。
これは紛うことなきメインヒロインの風格です。
後から急に現れた女によって、クラリスはすべてを奪われました。
クラリスENDは夢です。これが現実です。
そして時は現在に戻り
詳細は省きますが、傀儡戦争は終結します。
少しだけ説明すると、全人類を裏切ったやらかしから6年後、ニオはΦパーツによって傀儡化を抑制していましたが、ついに限界を迎えます。
ニオは傀儡となってしまいました。
しかも、最強の傀儡師です。
しかし、これはチャンスでもありました。
傀儡師とは傀儡を指揮するボス的存在です。そのため傀儡師は優先撃破目標ではありますが、どれだけ倒しても新たな傀儡師が現れます。
ただ、このタイミングは主要な傀儡師をあらかた倒し終えており、その「新たな傀儡師」がニオでした。
おそらくそのためもあってか、ニオは最強の傀儡師としてほとんどすべての傀儡に命令権を持つ存在となったのです。
この事態を予期していた主人公は、ニオとある約束を交わしていました。
傀儡になってしまったなら、自身を殺害して欲しいと。
傀儡は人間の強い感情に共鳴することが知られています。
すなわち、傀儡ネットワークを通して傀儡に「愛」を教えることで傀儡戦争を終わらせるのだ、と。
ニオはその約束を果たします。
そうして、傀儡は「愛」という未知の感情に戸惑い、その動きを止めます。
かくして、実質的に傀儡戦争は終結することになるのです。
ですが、『アーテリーギア』という物語はまだ続きます。
「クラリスという女について」というテーマからは少し逸れるのですが、この点がアテギアのシナリオの見事な点です。
半ば強引な、ご都合主義のような展開を見せつつも、「その後」に訪れる困難を丁寧に書くことで物語の説得力を補強しているのです。
「奇跡」のような方法で事態を解決しても、「奇跡」のような方法であるがゆえに、他者からは胡散臭く信用のおけない出来事に見えてしまう。
その功績を盗まれたり、未曽有の大戦争が終わったことで権力の混乱が訪れます。
そのような終戦処理が、13~15章で描かれることになるのです。
遺骸を盗む女
主人公は死亡しました。
とはいえ、本作には「Φパーツ」というまるで魔法のようなアイテムがすでに登場しています。
「それでなんとかなるんじゃないのぉ?」というのが、まあ誰もが思うところでしょう。結論から言えばそれでなんとかなるんですが、そこに至るまでの経緯が壮絶です。
実をいうと、「0パーツ」という「Φパーツ」の上位アイテムのようなものもすでに登場しています。
これを使えば主人公も復活させられるんじゃないかといろいろ試しますが、あんまり原理もよくわかっておらず、発動のために自傷行為が必要だったりと、紆余曲折……。結局、失敗します。
その理由は、「悪」の親玉みたいなやつの妨害を受けていたこと。
そしてクラリスが主人公の遺骸を盗み出していたことにあります。
クラリスはなぜ主人公と敵対していたのか?
クラリスは過去編において主人公と対峙したときニオに撃たれ、死んでいました。
それをクラリスの母親・ペパーシアが傀儡化し、復活させていたのです。
ペパーシアにとって、主人公は最愛の夫であるウェイドの仇です。
そしてペパーシアもまたセイレーンです。
クラリスは復活の際に、ペパーシアによって主人公への殺意を埋め込まされていたのです。
この点において、クラリスは純然たる被害者でした。
それが、主人公が死ぬことによって解除されたのでしょう。
クラリスは主人公を復活させるため、主人公から盗み出したΦパーツを用いてあの手この手を試します。
このΦパーツ、便利アイテムなのはいいんですが全然使い方がわからないんです。
そうしているうちに、主人公の身体が、自らの傷と同じ部位に呼応するよう再生していることに気づきます。
そしてクラリスは、主人公を蘇らせるために自傷行為を繰り返すのです。
ですが、心臓だけがどうしても修復しません。
そのためには、自らも命を失う覚悟で心臓を傷つけなければならないのではないか。
そんなふうにクラリスが葛藤を続けている間にも、物語は加速し続けていきます。
クラリス、その結末
傀儡戦争は(事実上)終結しました。
傀儡という「外敵」の存在によって人類同士の戦争は「内戦」と呼ばれるようになりましたが、「外敵」がいなくなったので人類はさっそく「内戦」を再開することになるのです。
主人公亡きあとでも、ニオは戦い続けます。
「たとえ指揮官がいなくなって、世界が今でも滅びようとも。私たちは……前へ進まなければなりません!」
決意を新たに、戦いは優勢かに思えました
しかし、敵の仕掛けた巧妙な罠によってニオはピンチに陥ります。
そのとき!
この世で「選択肢」を表示させられるのは、主人公だけです。
本作の主人公は別に選択肢によらずともベラベラ喋るタイプなのですが、選択肢を用いたこの演出には胸が熱くなりました。
そうして敵を打ち倒し、主人公はどうやって復活したのかという話をニオに聞かせます。
その理由は、クラリスの献身にありました。
クラリスは自らの命を失う覚悟を決め、主人公を蘇らせる選択をしたのです。
クラリスの物語は、ここで終わります。
哀れで、そして美しい女でした。
なんっ……なんで???
この女……またしても過去編でルート分岐している!!!!!!!
下の選択肢「クラリスを失いたくない。たとえどんな代償を払おうと……」を選ぶと、主人公が自らクラリスの傀儡となることでクラリスを復活させるエンディングが訪れます。
クラリスにとってあまりに都合のよすぎる夢です。
もちろん、正規ルートは上の選択肢です……。
後日談
クラリスが死亡したあとも物語は続くことになるのですが、本記事は「クラリスという女について」をテーマにしているため、そのあたりの話はまた別の機会にしましょう。
『アーテリーギア』はメインストーリーが完結したあと、公式アカウントで以下のような後日談が掲載されました。
最初のツイートは、当然ながらメインヒロインであるニオや初期からの仲間たちのものです。
それから主要な登場人物の後日談が似たように次々と掲載されていきます。
そしてラストは、クラリスです。
他が1ツイート当たり複数枚掲載である一方、クラリスは単独です。
この事実からも、クラリスという女が公式からどれだけ愛されていたか、お分かりになるだろうと思います。
イベントシナリオ「残響」
クラリスの物語は、これですべて終わりました。
……と、思っていたんですが。
続きました。
こちらのイベントは、過去編における「クラリスEND」の続きです。
????????
なんすかこれ……???????
過去編でルート分岐というのがそもそも異常事態なのに、その続き……? 夢? 夢オチでしょ?? どう考えても夢でしょ?? なんなの??
というプレイヤーの困惑には一切応えることなく、なんかふつうに話は進んでいきます。
海辺で小屋を作って二人暮らしをしたり……。
出会った人に「ハネムーン」とか言われて浮かれたり……。
一緒に露天風呂に入ったり、路頭に迷っていた孤児を拾って疑似家族を形成したり……。
クラリスにとってあまりにも都合のよすぎる夢のような展開が続きます。
なん……っ、なんなんだよ!!!!
夢なら夢と……ハッキリ言え!!!!!
どう考えても夢オチ以外ありえねえだろうが!!!!!
なんでこんな残酷な……やめたげてよお!!!!
というか、クラリスさん……?
あなたの知る主人公は、人類のために戦うという使命をすべて放り出して一人の女を選ぶような男でしたか……?
あなたは、それでいいんですか??
あのニオ・サイレンは、ラスボス存在に「主人公を完全再現して復活させてあげよう」という提案を受けたとき、「これは主人公ではない」と跳ね除けていましたよ……??
置き死体蹴りやめてくれませんか……。
ニオ・サイレン、許せない……。
果たして、この夢オチ以外ありえない物語はいったいどんな結末を辿るのでしょうか!?
続きます。
あの……その……。
続くの!? この話!???!?
夢オチみたいな話続くの?!???!?!
続きがあるなら読まねばなるまい……と探しましたが、続きっぽさそうなイベントはありませんでした。
有識者からいただいたリプライによると、やはり続きはないようです。
メインストーリーは綺麗に完結している本作ですが、このような連作タイプのイベントストーリーは投げっぱなしで放置されているものもいくらかあるようで……。
二回も過去編でifエンドをもらった挙句、ifエンドの続きが描かれながらも、その夢が覚めぬままに打ち切り……。
ある意味で、クラリスという女らしい結末に思えます。
もしこの話が続けば、クラリスもニオと同じように「これは主人公ではない」と気づき、夢から覚めていたかもしれません。
たとえ夢でも主人公はハチャメチャにカッコいいので、かなり厳しいようには思えますが……。
というかクラリスはですね!
「あの人さえ生きていれば、私はそこにいなくてもいい」と決意したんですよ! なのに……そんな……その決意を弄ぶような……。
これは救済か、それとも虐待か。
一方、ニオも同じような決意を固めていましたが、こいつは主人公と晴れて結ばれます。
おわりに
以上が、『アーテリーギア』におけるクラリスという女の全容です。
ちなみに現在時空において主人公と一度も共闘することのなかったクラリスですが、プレイアブルキャラとしては実装されています。二度も。
私はサービス終了間際に飛び込みだったので入手することはできなかったのですが、書いてある内容を読むかぎり環境を激変させるレベルでの強キャラであったようです。
二度目は、上でも紹介した「残響」に登場する謎のオッドアイverですが、その正体はまったくわからないまま本作は終了しています(好感度を上げてエピソードを解放してもよくわからなかったらしいです)。
また、本作の主人公は外見を選ぶことができるので、以上の主人公とクラリスの関係は壮絶な百合だったということにすることもできます(一番右のショタは年齢的にあり得なさすぎだろどうなってんだ)。
さて、本記事はクラリスの物語を追いかけることを主軸としているため、本作の結末やクラリスと関わりの薄い部分に関しては大幅に省略して執筆しています。
ですがもちろん、本作はクラリスだけでなく素晴らしいストーリーを見せてくれました。
というわけで、そのあたりはまた別記事で詳しくお伝えします。
では、次は「『アーテリーギア』はいかにして傀儡戦争を終わらせたのか?」でお会いしましょう。
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