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月刊プレイリストボーイ2023年12月号

【今月のプレイリスト】


1.イカサマだらけのルーレットゲーム/
ダイアモンド
⭐︎ユカイ
ユカイくんがソロデビューした1990年に観に行った大阪厚生年金会館ライブの一曲目がこれだった。当時はリクルート事件の渦中だったのだろうけど、高校生の自分はピンと来ていなかったし、政治家の汚職についての直接的な歌も知らなかった。自分の知る曲で、「パーティ券」が出て来るのはこれだけ。

2.Banquet/Bloc party
一拍ごとに交互に左右からチャキチャキ鳴るリズムギターと手数も手癖も独特なドラムだけで、既に中毒をもよおす。アフリカ系のノドを持ちながらSoulの系譜上にないケリーの歌唱もポイントだ。多人種なメンバー構成といい、今のpunksって感じ。今っつってもY2Kか。

3.Deadmans Galaxy Days/
ミッシェル・ガン・エレファント

「あの娘のハートが 揺れて動くから かなしみはきっと そこで生まれてる」R.l.P.

4.All Along the Watchtower/X.T.C
ディランの名曲珍カバー。けったいなリズム、出鱈目そうでうまいハーモニカ、人を食ったようなアンディ節がpunkで Destroyやー。もはや元曲は何でもいいな。

5.政治家/サザンオールスターズ
これも時代的にリクルート事件の風刺ソングと思われる。造語とライミングの天才的なセンスは桑田佳祐ならでは。「啓蒙は低級党じゃ暗〜い」とか、何じゃそりゃ(^∇^)

6.イスラエル/スージー&ザ・バンシーズ
この歌詞に「イスラエルではHappyNoël(クリスマス)を歌うだろうか」という一節がある。少なくともユダヤ教では「Merry Xmas」も言わないらしい。主にアメリカで使う「Happy holidays」は、宗教のちがいに配慮した年末年始の挨拶であるともいう。ユダヤもイスラムも共存するのがアメリカだ。依然停戦に向かわないことに失望しながらクリスマスをむかえてしまった。Happy holidaysを願ってやまないのに。

7.Merry Christmas Mr.Lawrence/
坂本龍一

侵略戦争が勃発した2022年、教授はステージ4を公表した。明けて2023年、神宮外苑再開発中止を求める手紙を要人らに送った約ひと月後、教授は逝去された(新宿区長以外からの返信は未だにないとのこと)そして10月7日、張り詰めた糸がまた切れた。あまりにも凄惨な悲劇が今も続いている。昨年以上にこの旋律を噛み締めるクリスマスとなった。

8.おかえり はやぶさ2/矢野顕子
宇宙飛行士の野口聡一とのコラボアルバムから。小惑星「リュウグウ」から採取した物質サンプルを地球に届けた「はやぶさ2」が帰還する時、野口さんはこんな気持ちだったという歌。夢のある話だねー。

9.Whity on the Moon/
ギル・スコット・ヘロン

ニール・アームストロングが月面着陸した翌年の1970年に出たギル・スコット・ヘロンのデビューアルバムに入ってる曲。自分たちは貧困に苦しんでるのに「白ンボ」は月に行っているという矛盾を歌っている。少々穿ってるかも知れないが、前曲の宇宙飛行からこの曲を連想してしまった。どちらがどうというわけではなく、シンガーソングライターは何を歌うかということにこそ興味がある。

10. Fairytale of New York(Live)/
ポーグス

「堕ちた天使」を初めて聴い時の衝撃は忘れられないが、この曲がこんなに大切なクリスマスソングになるとは思っていなかった。観客がいっしょに歌ってるLiveバージョンもいい。あらためてシェインへの感謝を込めて。R.I.P.

11.カルーセル/カーネーション
トッド・ラングレンっぽい曲調にフリーキーなギターとか、全開の直枝イズムが嬉しい。齢を重ねても、地面から2〜3センチ浮いた「サイケな心」を持ち続けよう。この世界はどうかしてるんだから。


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