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「ガンダーラ」に旅立った

人の記憶はあてにならない、とつくづく思います。

「男の顔は履歴書」。この名言、私はずっとエイブラハム・リンカーン(米国第16代大統領)のものと思っていました。間違いではないけど、正確ではなかった。

閣僚人事に関する話のなかで「男は40歳になったら自分の顔に責任を持たなくてはならない」とリンカーンが答えたエピソードを踏まえ、故・大宅壮一が「男の顔はその人の人生の履歴書である」と著書に書いたのが真相。

名言そのものはとてもわかりやすいですよね。男の40歳といえばある程度社会的地位にあるはずで、それまでの仕事での活躍や充実ぶりは顔に出ます。

どんなふうに歳を重ねるかで、人の内面は外に出る、ということ。

悪いことをしてると悪いツラになる、これは間違いない。見た目で人を判断してはならない、というが、人相だけは誤魔化しがきかないとも。

先日、西田敏行さんの訃報が…。享年76歳。コメディーからシリアスまで幅広い役柄をこなす、好きな俳優さんのひとりだったのでびっくりしました。

さまざまなところで追悼の記事や番組が出ており、いまさら個人的な感想を述べることもないのですが…。

西田さんで思い出すのは、大河ドラマの主演に決まったとき、名前は忘れたけど脚本家が西田さんを評した言葉です。正確ではないけどおおよそ以下のようなニュアンスでした。

「醜男でも女にモテることを立証した男」

醜男! 愛情表現とはいえひどいこと言うなあとそのときは思いました。

イケメンの定義は人それぞれでしょうが、一般的には「容貌、容姿ともに美しい男」。しかし、目標を持って生きている人、あるいはその道一筋に人生を捧げた人の、人生の年輪が刻まれた容貌こそ真のイケメンでは?

西田さんは決して醜男ではありません。

映画「釣りバカ日誌」シリーズなど数えきれない出演作のある西田さんですが、忘れられないのは「西遊記」(1978~80)ですね。

毎回観てました。面白かった。キャストが斬新でした。孫悟空(堺正章)、猪八戒(西田敏行)、沙悟浄(岸部四郎)、三蔵法師(夏目雅子)…。

ドラマの主題歌「ガンダーラ」も大ヒット。オカリナの定番曲になっており、私の楽譜ファイルにも入っています。

担当したゴダイゴは日本のロックバンドの草分け的存在。英語の歌詞が入っているのが垢抜けていて、日本人離れしたセンスを感じました。

そこに行けば
どんな夢もかなうというよ
誰もみな行きたがるが 遥かな世界
その国の名はガンダーラ♪

オカリナ「ガンダーラ」 (youtube.com)
(オカリナ・マルメロさんのダイナミックな演奏)

「猪八戒、沙悟浄、三蔵法師もみんな天竺へ旅立ちました。私もいずれその旅に参加します」

ヤフーニュースに載っていた堺正章さんの追悼の言葉です。西田さんのご冥福をお祈りいたします。

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