締めの一曲は「ハトと少年」
カラオケボックスでのオカリナの練習を定期的におこなっています。
自宅はマンションなので思いっきり吹くことが難しく、遠慮なく練習できるのはありがたいですね。練習といっても私の場合、シンプルな音階練習をやったあとはひたすら好きな楽曲を吹きまくるだけ。
伴奏音源をつけて15~20曲くらい吹きますが、練習を切り上げる最後の曲、すなわち“締めの一曲”は決めてあります。
「ハトと少年」(久石譲作曲)
ジブリアニメ『天空のラピュタ』の挿入曲のひとつです。劇中、朝が来たことを知らせるためパズー少年がラッパ(トランペット)を吹くシーン。たくさんのハトが飛び立つなかで流れる、1分にも満たない小曲です。
いわゆるファンファーレですから、メロディーは軽快でさわやか。一つ一つの音が高らかに飛び跳ね、吹いていると気分が自然と高揚します。気分よく練習を終えることができるので、締めにはぴったり、かと。
トランペットとオカリナは同じ管楽器ですが、とても対照的ですね。
金属で作られるトランペットは、空間を切り裂くような力強くキラキラした音が出ます。なので、吹奏楽においては主役を務めることが多いし、ソロでも聴衆の心をグッと掴むことのできる楽器です。
数多あるトランペットの名手のなかでニニ・ロッソが大好きな先輩がいまして、彼の葬式では遺言にしたがってニニ・ロッソの「夜明けのトランペット」がずっと流されていました。
「夜明けのトランペット」はニニ・ロッソ最大のヒット曲ですが、哀愁に満ちたメロディーです。先輩の葬式では永遠の別れを惜しむというより、故人の新たな旅立ちを祝福するかのようで、思い出深いお葬式となりました。
Tp177 数原晋 夜空のトランペット (youtube.com)
(パズーのトランペットを担当した数原晋さんの「夜空のトランペット」)
それはともかく、一方のオカリナは土から作られる「土笛」。なんといっても素朴で繊細、優しい音色が特徴です。
残念ながら、花形になるタイプではありません。派手か地味かでいえば後者ですが、素朴な音色に癒される人が多いのも事実です。基本、ひとりで演奏を楽しむ楽器でした。
そういえば、私がオカリナを知ったのはジブリの『となりのトトロ』で、劇中、トトロは月夜の晩に樹の上でオカリナを吹いていました。
いうまでもありませんが、これは「優劣」の問題ではなく「個性」です。
みんなちがって、みんないい。(金子みすゞ)
私はオカリナの優しい音色に惹かれて、いま、練習に励んでいます。それでいい、後は道をきわめるだけ。とはいえ、美しいメロディーを朗々と奏でることのできる日はまだまだ遠いけど……。
クラスの人気者と教室のすみで静かに読書している生徒──トランペットとオカリナがコラボしている動画を見つけました。
#AmazingGrace / #アメイジンググレイス / #オカリナ & #トランペット (youtube.com)
ご夫婦でやっているらしく(徳谷満子・オカリナ、徳谷興志・トランペット)多くの動画をアップされています。