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幸せ色の「ドレミの歌」
資料を調べるため神戸市立図書館へ行ったとき、最寄りの地下鉄大倉山駅付近の街路樹イチョウがみごとに黄葉していてしばし見とれました。
秋の深まりをイチョウ並木の黄葉で知る…。神戸市の「市の木」はクスノキで、市内に多く見かけるのですが、いかんせん、常緑樹なので四季の変化は感じにくい。
さらに、我が家は海まで1キロもない街中にあり、紅葉もあまり見かけず、結果、イチョウ並木の黄葉で深まる秋を感じることに。
黄葉(紅葉も)って、落葉広葉樹が落ち葉になる前に葉の色が変わること。つまり、ひとつのサイクルの終わりを告げるときに、このような鮮やかな色彩で私たちの目を楽しませてくれる――天の配剤のありがたさ。
とりわけ、黄色という色は虹の色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)のなかで最高に明るい色で、かつ目立つ色でもあります。
「寒い冬が来るけど元気に過ごしてね!」という自然からのメッセージかもしれません。
黄色いものと聞いて思い浮かぶものって何でしょう? バナナ、レモン、ヒマワリ、ピカチュウ、玉子焼きなどいろいろ。唐突ですが、では、私の苦手なレモンから思い浮かぶ楽曲は?
若い人は米津元師の「lemon」と即答するかもしれません。私は断然、「ドレミの歌」をあげます。
傑作ミュージカル「サウンドオブミュージック」(1959年)の劇中歌です。日本ではペギー葉山訳の歌詞で普及しており、原曲は日本の歌ではないけど「日本の歌百選」に選定されています。
音楽の教科書にもたびたび採用されているし、早い話、誰もが知っている歌です。歌のキモは途中に出てくる“語呂合わせ”、
ドは ドーナツのド
レは レモンのレ
ミは みんなのミ
ファは ファイトのファ
ソは あおいそら
ラは ラッパのラ
シは しあわせよ
さあ うたいましょう♪
https://www.youtube.com/watch?v=rzVctUrTtw0
(ARelina Ryokoさんのひとり二重奏)
音階をうまく使ったシンプルなメロディーで覚えやすいですよね。大勢の人に愛唱されている理由でしょう。
最初はドレミのすべてを食べものに統一しようと(ミはみかんなど)したけど、ペギー葉山さんは当時、ファがファンタしか思いつかず、商標の件で断念したという逸話も残されています。
ところで、「サウンドオブミュージック」は、トラップ一家がナチスの迫害を逃れスイスに脱出する物語ですが、黄色は色彩心理学では「幸福や解放への希求」を表す色と言われているのです。
ということは、この傑作ミュージカルを色で表すと「黄色」になる…と。確かに「ドレミの歌」はハッピーオーラが溢れていますね。