空を見上げながら「愛の花」
オカリナ教室リーナ★リーナ、9月の課題曲はあいみょんの「愛の花」でした。スローテンポでやさしいメロディーの曲にもかかわらず、私にとって難易度の高いレッスンとなりました。
理由は簡単で、休符がめちゃくちゃ多い曲なのです。講師のさくらいりょうこ先生はレッスンでいつも「拍の取り方」を指導されるのですが、それはメリハリの効いた、ノリのいい演奏には不可欠だから。
悲しいかな音楽的素養のない人間にとって(それだけではないけど)、休符が出てくるだけであたふたしてしまって指がスムーズに動かなくなってしまう…。
しかし、これも練習あるのみ。私は帰宅してさっそく部屋の置物になっていたメトロノームを引っ張り出して、新しい練習メニューに加えました。
それはさておき。初めての「あいみょん」は新鮮でした。
彼女の歌で知っているのは「マリーゴールド」くらいで、それも名前だけ。カラオケで歌ったこともなければ、オカリナ練習のための楽譜ファイルには1曲も入ってないのですが、凄いという世評は知っています。例えば、
要約すると、刺さる歌詞と耳に残りやすいメロディー、歌詞に感情を乗せて歌い上げる歌唱力でしょうか。これは私が勝手にヒット曲の方程式と言っている「まずメロディーに惹かれ、次に歌詞でハマる」に当てはまります。
「愛の花」は、2022年のNHK朝ドラ「らんまん」(植物学者・牧野富太郎をモデルにしたオリジナルドラマ)の主題歌で、ドラマの世界観との親和性が高い歌詞です。
一言でいえば、天へと旅立った大切な人を想い、再会を願う心を歌っています。
愛する植物のため一途に情熱的に突き進んだ主人公。献身的に支えた妻。ともに過ごした幸せな日々や、分かち合った喜びが「愛の花」という言葉に込められています。
でも、必ずやってくる大切な人との別れに、交錯するさまざまな感情。歌い出しは、
言葉足らずの愛を
愛を貴方へ
私は今を
今を憎んではいない♪
愛する人を失った悲しみや、その人を思う切なさが歌詞に込められていますが、一番心に染みるのは、
空が晴れたら
逢いに 逢いに来て欲しい
涙は枯れないわ
明日へと繋がる輪♪
あいみょん「愛の花」オカリナ演奏 (youtube.com)
(オカリナpaludeさんの演奏。敦賀市の中池見湿地の写真も素敵です)
亡くした大切な人を想うとき、人は空を見上げるものなのか。最近読んだ、伊集院静「大人の流儀8 誰かを幸せにするために」で、亡くなった前妻(女優・夏目雅子)の思い出が脳裏に蘇るときは空を見上げるようにしている、と書いています。
「近しい人を亡くした人に私が言えるのは、何でもない時に別離して行った人の面影がたら、その人の笑っていた時の顔や、楽しそうな姿を思い浮かべることをすすめたい」
「愛の花」を習得したら、よく晴れた日に屋外、できれば緑豊かな公園でオカリナを吹いてみようと思います。