Henrik von Eulerの新作『Små Vågor 5 』で広がる小さな波に耳を澄ます
収録された 9トラックで奏でられる神秘的なサウンドは、私たちに癒しと安らぎを与えます。
Henrik von Eulerは、ピアノ、メロトロン、クラリネット、アコーディオン等の多様な管楽器と電子機器を操るアンビエント・ミュージックの作曲家です。彼は粛然たるミニマルでオーガニックなサウンドを得意とします。
彼が2015年から作り続けてきた『Små Vågor』シリーズの5作目となる本作が、Flora & Faunaレーベルからリリースされました。この作品は、彼の地元スウェーデンのパブ、Restaurang Hjälmarenでの日常生活から着想を得た作品です。「Masa beş」では、Aina Myrstener Celloがチェロ奏者として加わり、Rut von Eulerがサウンドエンジニアを担当しています。Simon von Eulerは、「Smygen」でJuno-6を演奏し、Tove von Eulerは「Kinan」で追加のピアノを弾く等、地元の才能あるミュージシャン等が参加しています。
さて、9曲に纏められたこの作品はリスナーをスピリチュアルな旅へと誘い、自然と一体化することを助けてくれます。あまりの心地よさに眠気を感じるかもしれません。憂い帯びた美しいピアノから始まるオープニングの「Stor mellan」で、中盤からアコーディオンが重なり、穏やかな世界が徐々に広がっていきます。スウェーデン語で”小さな波”を意味する本作のタイトル通り、「Smygen」では波の音を感じられるでしょう。また、最後を締めくくる「Voltstart」では軽快なピアノの音を楽しめます。終始、静かに奏でられる平和なサウンドは、私たちに安息をもたらしてくれます。忙しい毎日を過ごす現代人にとって、この心を無にする音楽は、日曜日の昼下がりに聞くのにぴったりでしょう。