幻想的なミツマタの群生にであった
ミツマタ(三椏)、コウゾ(楮)、ガンピ(雁皮)は、和紙の三大原料である。ミツマタは春を告げる花の一つで、こちらでも結構見かけるが、大抵は数本レベル。山の調査で1000m近くの、林道を走っていると、谷の斜面のスギ林の下が、夕方近くの低角度の優しい光に照らされて、白く輝やく斜面に思わず車を停めった。そこには、今まで見たことがない美しい光景があった。
もし、ここで妖精を見たとしても、その存在は不思議でもなんでもない。そう思わせる幻想的な異空間。神秘的でやさしさに包まれたスギの人工林がそこにはあった。
この林を離れて冷静に考えると、この辺りはシカの食害で山の斜面は下草がなく、結構荒れている。シカが好まないミツマタがスギの人工林や山を守っているなら、積極的に植えれば、換金植物にもなる可能性がある。スギの植林がこんなに美しい林に変わるなら、もっと山に足を運ぶ人も増えるのかもしれない。