噂の圧迫面接!経験ある学生2人に本音取材。入る気なくなった?(笑)
はじめに
面接について話すときに、かなりの頻度で話題になるのが「圧迫面接」と呼ばれるものの存在ではないでしょうか。就活をまだしていない段階で学生が恐れるものの1つでもあります。圧迫面接をする会社は悪い会社であるという主張も数多いですが、いや逆にブラックな企業は健全な会社のフリをしたいから圧迫面接などしないはずだから圧迫面接される会社は自信があって安心であるという逆の考えなど、多くの議論がネット上では見受けられますね。
インタビューに至った経緯
今回はインスタグラムの質問に対して、実際に圧迫面接をされました、と回答してくれた学生の中から2人を選んでインタビューし、就活生が気を付けるべきことや対策などを考えていくと同時に、学生の素直な体感を伝えられたらと思います。圧迫面接って何ですか、どこからですか、と言われると、なかなか定義づけが難しい部分がありますが、その辺も含めて2人の学生の感覚をベースにひも解いていけたらなと思います。
匿名が故の安心感をもった暴露(笑)をしてもらいたいので、男性の方を山田君、女性を山本さんとさせていただきます。インタビュアーは学生団体A dogなので犬です。もちろん企業名もわかる人にはわかるかなくらいで伏せさせていただきます。
インタビュー
犬:まず単純にすごい興味があるので、会社名(笑)と、面接時の志望度合いを教えてください。
山田君:(すんげー大きな自動車会社)です。第1志望で受けていました。
山本さん:(CMで聞くレベルの化粧品会社)です。「第1志望群です」と言ったら、「第1志望ではないんですね分かりました、こちらもそのつもりで扱わせていただきます」と言われるところから面接がスタートしました。
犬:知らない会社ならどんな会社か調べてからと思いましたが、名だたる企業でしたね。それでは肝心の、どのようなところで圧迫面接と感じたかと、それに対して嫌だと感じたかどうかを教えてください。
山田君:まず自分は体育会系の人間ではないのですが、会社全体の雰囲気は体育会寄りなことは認識しておりました。しかしどの質問に対しても「あー体育会出身じゃないとそういう回答になるんだね」というような扱いを受けて、それなら体育会所属の学生だけを募集すればいいのにと感じましたね。
これは世にいう圧迫面接だなと最初に感じたのは、「経歴から見るとエンジニアとかを志望してそうだけど、なんで営業職なんですか」という質問に、「理系的な知見からも製品の質や仕組みを理解したうえでこそできる営業があると感じているからです」と答えたところ、「じゃあ今ウチの社員で営業やっているのは文系の人がほとんどだけど、その人たちではダメだってことであってるかな、先輩を立てようとする姿勢がみえないところが体育会系じゃない人間らしいね」と言われた場面です。就活サイトの掲示板で見たことあるようなシチュエーションだ、と思いました。
嫌だと感じたかどうかでいうと、そうでもなかったです。面接官のおっしゃることがすごく論点をついていたらそれはダメージになるかもしれませんが、その時はどの質問に対しても、あまりにも無理やり体育会系じゃないことに突っかかってくるなあという印象であったため、よく言われるストレス耐性のチェックのような項目のために強めに言ってきているのだろうなと思いました。嫌だな、というよりは、なるほどそういう面接か、という感覚です。
山本さん:私は嫌でしかなかったです。日常で感じた小さな感動という内容の質問だったのですが、○○株式会社(受けている会社)の化粧品を使っていて、それを好きな芸能人がテレビで同じものを使っていて嬉しかったというエピソードを話しました。それに対して、「うちの化粧品で今日もメイクをされていますか。そうですか。説明書をしっかり読んで使っていますか。」と、自分の顔を見ながら、明らかに「ウチの高級な化粧品使ってそのメイクしかできないの?」と言われているようでした。さらにその化粧品を売るならどのように売るかやってみてくださいと言われて、想定できた質問だったので準備してきていたのですが、話し始めた瞬間に「もう結構です」と打ち切られました。直接言われたわけでないですが、外見を否定されたような気がしましたし、それ以上に何度も練習して準備してきていたロープレをさせてすらもらえずに理由もなく打ち切られたのがすごくショックでした。
犬:お二方ともありがとうございました。山田さんはストレス耐性を図るための質問なんだなという意図が感じられたから嫌だなとはあまり思わなかったんですね。それに対して山本さんは嫌だなと感じられたとのことですが、まず1つ目の例での外見に関してのそのコメントは、圧迫面接とは少し趣旨の違う人権的な問題にも絡んでしまっている気がしますね。一度そこは置いておいて、山本さんは面接官から何かの意図は感じられましたか?また意図を考えるという発想はその時持っていましたか?
山本さん:口コミなどで面接の雰囲気などは調べていたので、1次面接か2次面接のどちらかで圧迫的な質問があるとわかっていて、そういう時はできる限り冷静に自分の考えをいおうと意識していました。しかし終始一貫して冷徹な雰囲気で自分に興味があるような素振りすらなく、私のことを採る気はないんだなと感じてしまいました。逆に取るつもりがあってあの態度なら、入社してからもそのような雰囲気が流れているのではないかとも感じられ、面接の途中からそこへの志望度は大きく下がっていました。そもそも私が第1志望「群」という言葉遣いをしたことが問題なのかもしれませんが、実際面接の後半には第3志望群くらいになっていましたね。その中で外見に文句があるような発言をされたのと、やれと言われてやろうとしたのに突然打ち切られたことがかなり自分にはダメージがありました。
犬:第1志望群ですらなくなっていく感覚の中でも、ダメージがあったのですか?自分ならどうでもよくなってしまう気がしますが。
山本さん:自分を否定される感覚というのがダメージにつながりました。これは圧迫面接だから、と割り切れたらいいんですけど、ほかの会社を受ける時もこうやってダメ出しされるんじゃないかとか、自分を出し切る前に拒絶されたりするんじゃないのかと怖くなりましたね。
犬:なるほど、ほかの面接にも影響が及ぶことがあるんですね。貴重な経験とリアルな感情をわかりやすくありがとうございました。
まとめ
企業側が何を意図して圧迫面接をするのかというと、それはいろいろ考えられますが、1つは山田君の言うようなストレス耐性を見るという部分だと就活サイトなどではよく言われていますね。山田君のような例では、体育会系じゃ無いことを悪く言われても、気楽に受け流して逆に自分の強みを押し出せるかどうかというのは大事な能力のような気がします。自社製品を否定されたときにもほかの引き出しを持ってくる営業の基本的な部分にも精通しますね。またそれ以外にも、予想外なことを言われて動揺した時の対応力であったり、自分と合わない人間に対しての接し方であったり、突然のマイナーチェンジが利くかどうかという部分であったり。圧迫的な面接をすることによって企業側が見れる部分はたくさんあるかと思われます。
そう考えると、山本さんの例でも、1番初めに第1志望じゃないならそのつもりで扱うと言われたときから、自分の感情の高まりをコントロールできていたら、外見を悪く言われているという感覚ではなく、何かもっと素直な返しができて、自分へのダメージという面でも面接の結果も変わっていたかもしれませんね。どちらにせよ面接官が高圧的に来た時に、同じように敵対心を持ってしまっては求職者側としては勝ち目は薄れてしまう可能性が高いと思われます。
しかし実際に、もし企業も良い人材で採用したいと思っているのであれば、今回のパターンのように面接の態度で入社したくなくなってしまう例もあるので、採用する側もそこは懸念点となるのではないでしょうか。今回の2つのパターンでも最も大きく異なるのは、面接官の意図が伝わっているかどうかの部分で、意図が伝わらない高圧さは就活生からするとただの態度の悪い面接官でしかないですからね。
何が正しいとか、圧迫面接は良い悪いとか、という議論には終着点はなかなかないですが、
就活生に向けて
「就活生は、面接官には何らかの意図があることを念頭に置いて、対抗心を燃やしてしまわずに、初めから想定して自分の引き出しを増やしておく」「悪く言われていると思っても捉え方次第で冷静な回答ができる」「ただ企業側も機嫌が悪いだけなようにも捉えられるような面接だと貴重な人材を失いうるし、学生も選びたくないなと感じるというのが本音」というようなまとめになるかと思われます。
ちなみに執筆している自分は、11社に受けて10社が受かり、1社が落ちたという内容なのですが(自慢です)、1度も圧迫面接だなと感じたことはなかったです。しかし受けた会社について調べると、圧迫された、というような内容も多く見られたので、いかに熱くならず、感情的な部分を捨てて面接に臨めるか、というところは思っている以上に大事かもしれませんね。今回のインタビュー記事もお読みいただきありがとうございました。
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