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ショートエッセイ:初めてのプロポーズー応じていれば今頃私はどんな女にー

笑って貰えるかどうか解らないけど、まだ初々しかったじゅりちゃんが大人の世界を覗いた話、です。

私、当時20代前半の小娘。
ある晩、某カルチャースクールの飲み会で、仕立ての良さそうなしなやかなスーツに身を包んだダンディなオジサマと語り合う機会がありました。
どういうわけか彼は私を妙に気に入ってくれて、「俺の行きつけの飲み屋に連れてってあげよう」
一人じゃ不安だよね、と彼はもう一人控えめだけど真面目な男性を誘い、タクシーを拾って三人で乗り込むと、運転手さんに
「ゴールデン街へ」

私仰天。
ゴ、ゴールデン街はさすがに行ったことないぞ~。
っていうか朝日カルチャースクールからゴールデン街までなら歩くぞ。贅沢なっ。

連れて行かれた小さなスナックでは、和服姿の美人ママが艶然と迎えてくれました。
オジサマは常連さんのようです。
「俺この娘気に入ったんで連れてきたんだよ」
とか挨拶してます。
水割りを啜りながら話が進み、だんだん盛り上がってきた彼。
突然仁王立ちになり、叫んだ!
「俺は君に惚れた。俺はなぁ、好きになった女には俺の〇〇〇を見せることにしてるんだ~!」

そしてチャックを思いっきり下げて(ry

余りの事に固まる私たち二人。
しかしママは落ち着いたもので、
「アラ、案外(略)」

更に盛り上がった彼、入り口のドアに貼ってあった名刺を指差し、
「俺はこの人にすごくお世話になったんだ。この人は俺の一生の師なんだ!」

私、名刺を見て更に固まる。
野村秋介」って書いてあるんですが…。

夜も更けて。
内藤陳氏のお店「深夜プラス1」のカウンターの片隅で、彼にそっと手を取られて囁かれました。
「結婚してくれないか」
さすがに衝撃だったので、何て返事したかは覚えてないっすw
そしてkiss。

あ、帰りはそのスナックにタクシー呼んでもらって、その場で別れました。
とっても紳士でしたよ。

しかし残念なことに、翌週顔を合わせたときの彼は、「プロポーズ」のことなんかしっかり忘れてたのでした。男ってそんなものよね(笑)。


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じゅり@新しいパソコンを買いました。データ移行に苦労しています。
新しいパソコンが欲しいです…。今のパソコンはもう13年使っております…。何卒よろしくお願い申し上げます…。