超ショートエッセイ集:グンマ―の生活 (2)おもひでばなし

■祖父と祖母のラブレター
私の母方の祖父と祖母は大恋愛の末、東京に駆け落ち婚をしました。勿論戦前の話です(戦後に籍を入れた)。
二人共お空に旅立った後、少しずつ遺品の整理を始めた叔母がとんでもないものを発掘しました。二人の婚前の灼熱のラブレターの束。
親族皆蜘蛛の子を散らすように逃げ、私の許に
「お前読んでみてよ」
とオファーが来ましたが、必死で断りました。おばあちゃんには悪いけど、照れくさすぎるわ(泣)。

■かき氷屋さん
高校の近くにかき氷屋さんがあり、夏は学校帰りにしょっちゅう寄って食べていた。
シャシャッとした氷が谷川岳の雪のように真っ白でした。
大学進学後、教育実習で母校に戻ったとき、実習生皆で久しぶりにかき氷を食べに行ったら、翌日早速生徒たちに授業中に
「先生たち、昨日かき氷食べに行ったでしょう」
と絡まれました。え～い、この悪ガキ共め!!(笑)

■父とコーヒー
今から40年近く前のある日、父は同僚と喫茶店に行った。
メニューを見て何だか解らぬままにアイスコーヒーとシナモンコーヒーを頼んだ。
やがて運ばれてきたコーヒーを見て二人共困惑した。この透明のトロリとした液は何だ(ガムシロップですわよお父様)、この木の枝は何だ(シナモンスティックですわよ同僚様)。
仕方がないので、とりあえず父はガムシロップを舐めてみた。
同僚はシナモンスティックをかじってみた。

グンマ―の40年前なんてそんなもんだ。