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ショートエッセイ:グンマ―の生活 (4)伯父特集
■レスキュー隊ですか
母方の伯父(母の兄)は、子供の頃はグンマ―の山を駆け回って遊んでいた。
子供の頃からヘンな人、あ、いや、個性的な人であった。
ある時、皆で鉄橋(当然、汽車が通る)で遊んでいたら、ガタガタと線路に振動の気配がして、
「汽車が来る!!」
皆逃げた。しかし伯父のみは最後尾にいたのか鈍臭かったのか、逃げ遅れて
「うわぁ汽車が見えてきたよ!!」
間に合わないーー。
伯父は咄嗟に鉄橋の枕木にぶら下がった!!
悲鳴のような警笛が聞こえ、汽車は間一髪、伯父の目の前で止まった。
運転手さんと車掌さんが伯父を助け出してくれた。
長じて伯父は東京消防庁に就職した。
それを聞かされた訪問客、思わず言ってしまったそうである。
「レスキュー隊ですか」
■故宮博物院
伯父と電話で話していて、台湾に行った話になった。
私は台湾が好きで、特に故宮博物院が気に入って、2年連続台湾に行って見学してきたという話をすると、伯父は
「僕はね、台湾の故宮博物院に感動して、翌年北京の故宮博物院に行ってきたよ」
えええ? 元々は北京の故宮博物院に保存されていた中国4000年の歴史の至宝は、主要なものは皆台湾に運ばれて、北京にはろくなものが残ってない…という話ではなかったっけ。
伯父は言った。
「だって、中身を見たら入れ物も見たいって思うじゃない」
私はこの伯父とは血がつながってないような気がしていたのだが、この時、やっぱりつながってたんだと感じた。
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