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ショートエッセイ:英国「食」旅行記 (4)ウェールズの兎
昔々その昔、大食漢だった英国人は、食事の後にデザートとは別に軽い”お口直し”をとる習慣だったとか。軽いパイとか、そんな中でも有名で人気者だったのがこの「ウェールズの兔」。チェダーチーズをビールに溶かしてトーストに塗ったもので、英国料理の本だとたいていこのお料理の作り方が載っています。
子供の頃「ミステリー食事学」という、翻訳推理小説とグルメをテーマにした粋なエッセイの本が私は大好きだったのですが、この本にまでもレシピが載っていて、「チーズソースを塗ったトーストなんて考えただけでもおいしそう~」とすごく憧れた私はある日ついに台所に立って挑戦してしまったのです。
しかし、レシピは複雑だわ材料は揃わないわ私はイージーだわで、チェダーチーズと書いてあったところをパルメザンチーズで代用したりしたもんだから、出来上がったのものは「何これ」(by 母)
旅行中の一日、思い切ってウェールズまで足を伸ばしたのですが、霧雨降りしきる中しっとりと濡れた身体を温めようと飛び込んだカフェで、
思いがけなく「ウェールズの兔」を見つけたときは感動!
しかも行く先行く先の店で、我々はメニューに「ウェールズの兔」の名前を見るのである。ウェールズ地方の名物料理だったのね(笑)
そしてついにある一軒で、私はウェールズの兔を注文、子供の頃の夢を実現したのでした。
味ですか?
やっぱりビール入っている分、苦味があったかな。子供の頃の失敗を思い出させるほろ苦さで(笑)。ストイックな味わいで、シブくて良いものでした。
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