超ショートエッセイ:死者のメールアドレス
社内イントラに、社員のEメールアドレスを検索できるページがある。
必要があってそこで検索していたんだが、見ると旧姓の社員とか既に退職した社員とか、いろいろいるのよこれが。
その中で、一人の名前に私の目が止った。
在職中のまま志半ばにして病気で逝去された社員のアドレスがそのままあったのである。
思わずfingerコマンド(Unixのコマンドでアカウントの情報を調べるもの。プライヴァシーの問題により、禁止しているプロバイダーも多い)をかけてみたら。
「New mail arrived」
と出てきた。
このメールはどんなメールだろう。DM? 仕事? それとも知人からの近況伺い?
送った人は相手が既に会社にいないのを知らないのか、或いは出した後消息を聞いて知ったのだろうか。
でも一度出したメールはPostmasterでないと削除できないから、結局そのままになってしまったのか。
通常、異動・退職等した社員のメール・アカウントはPostmasterにより削除される。
しかし、どうしても洩れはある。きっとどこの社内でもこういう現象はひっそりと発生しているのでしょう。
サイバー・スペースの隙間にひっそりとその人の生きた証が残っている。
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