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ショートエッセイ:グンマ―の生活 (5)はにわ県民
高校に、「運が良い」と評判の先輩がいた。
「どう運が良いってね、散歩していたら土偶拾ったんだって!!」
それは確かに運が良いが、グンマ―は埴輪の名所だが土偶の出土は余り例がない(と思う)。それは埴輪なのか土偶なのか、教育委員会とかに届けた方が…とか、一寸埴輪博士ちゃんだった私はモヤモヤしたものであった。
尤も、グンマ―は「日本一のはにわ県」と呼ばれるほど(いや、Googleさんはそう言ってるけど私そんなん聞いたことないけど)、埴輪の出土数が多い県らしいので、私でも頑張って毎日古墳の周囲を散歩していたら、埴輪を見つけられたかもしれない。
余談だが、毎日小学生新聞に「ザ・ハニワン」なる小説が連載されていたことがある。古代の地球で埴輪人と土偶人という宇宙人が戦い、地球人たちがその姿を像に作ったのが埴輪であり、土偶であったという。
現代の地球で、その土偶人が目を覚ました。
彼らから地球を守るために、地球人と埴輪人が手を組んで立ち上がった!! というストーリーだったんだけど…いや、笑っちゃいけません。チビの私は生まれて初めてのSF小説を毎日ワクワクして読んでいたのだから。
連載が終わったら単行本が出るものと思って待ってたんだけど、出た形跡はないなぁ…。自分が読んだ小説は夢か幻だったのだろうか?
しかし意外なところで再会することとなった。「ハニワと土偶の近代」展で「ザ・ハニワン」が掲載されている毎日小学生新聞が展示してあったのである。当時のときめきが蘇ってきた。
これもまた、はにわ県の血が騒ぐからだろうか?
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