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ショートエッセイ:英国の幽霊たちーでも一人もお会いできませんでしたー

英国。
行った中で幽霊話があるところは、ウインザー城、ウエストミンスター寺院、セント・ポール寺院、サマセット・ハウス、ロンドン塔、ハンプトン・コート宮殿。多いな(汗)。

日本と少し違うのは、歴史上の人物の幽霊話が多いのが特徴という辺りでしょうか。
おそらく英国史上の人物でもっともたくさんの場所に出てくる幽霊さんは、ヘンリー8世の王妃アン・ブーリン。歴史に名高いエリザベス1世の母君です。
元々は最初の王妃キャサリン・オブ・アラゴンの侍女でしたが、王の眼に留まり、超絶強引な離婚劇の末王妃の座に座るも、わずか3年半で王様の機嫌を損ねて処刑(斬首)された悲劇の人です。

ロンドン塔にも出る。
ハンプトン・コート宮殿にも出る。
テムズ河にも出る。
ランベス宮殿(非公開)にも出る。
実家のヒーヴァー城にも出る。
子供時代を過ごしたブリックリン・ホールにも出る。


ここでは首のない姿で馬車に乗って出るそうですが、何で首がないのに彼女だと解るのか謎じゃないかとか、6か所に出没するとは、実は彼女相当忙しいんじゃないか…という話は置いといてw

あと、英国の幽霊は見た人に危害を加えることは殆どないというところも特徴かもしれません。日本の幽霊は見ただけでも祟られたりしますよね。
そんな訳で、英国人にとって幽霊はまるでお友達のように親しみを持って扱われているのです。

ロンドン塔ハンプトン・コート宮殿はそういった幽霊伝説の宝庫です。何しろ公式パンフレットで堂々と幽霊話について触れている。この二つ、日本で言えば京都御所や桂離宮級の、つまり国宝級の王城なんですよ! っていうか、そもそも幽霊話が最大の売りの一つ。手許の本で数えてみました。

ロンドン塔
身許が解っているだけで8名。人だけではなく飼われていた熊の幽霊まで出るとか。
目に見えない手に押されて階段から突き落とされるという話もあるのでここに行くときは注意しましょうw
ただ、ここはいつも満員電車並みに混んでいます。幽霊が混じってても気づかないかも。

ハンプトン・コート宮殿
身許が解っている人5名。ここはヘンリー8世が愛した王宮で、彼の6人の王妃の内3人が"出る"とか。5人目の王妃キャサリン・ハワードが一番有名でしょうか。彼女は姦通をしたことがばれて、この宮殿で逮捕されました。
「ヘンリー! ヘンリー!」
彼女は必死で夫の名を叫びながら走りましたが、礼拝堂にいた王の耳には遂に届きませんでした。ロンドン塔にて斬首。まだ20歳の若さでした。
彼女が引っ立てられていった場所は、ホーンテッド・ギャラリーと呼ばれています。彼女の髪振り乱した姿や泣き声を目にした者耳にした者は後を絶たないとか。

ちなみに中庭には3人目の王妃、ジェーン・シーモアの幽霊も出ます。
2003年には夜間監視カメラに謎の人影が写り、世界的なニュースになりました。日本でも報道されてます。

私たちがハンプトン・コートを訪れたのはロンドンを発つ前日でした。ここは現在誰も王族が住んでいないので、王宮内の殆どの場所を見学することができます。物凄く見ごたえがあり、その気になれば一日でもいられそう。
しかし、問題のホーンテッド・ギャラリーは実はそんなおどろおどろしい雰囲気は全くありませんでした。人もいっぱいいたし。ちょっとがっかり。

宮殿内のコーヒー・ショップに立ち寄りました。軽食もありましたので、スープとグレービーのかかったパイとソーセージで昼食を摂ります。この店の料理は結構美味しくて、「英国って意外に飯ウマじゃん」とか思う奥さんです。
旦那がさっき買ったパンフレットを開きます。
「殆どの人が"何か"を感じるのはホーンテッド・ギャラリーと、ジョージ王朝時代のアパートメントだって」
ジョージ王朝のアパートメントって、さっき通ったよね((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
人でごった返していたホーンテッド・ギャラリーと違い、ジョージ王朝時代のアパートメントの方は殆ど人気がなかったんですが…。
「…私たち、ガチ霊感ゼロですか(泣)」

そんな私が幽霊を信じているかどうかというと、「霊は信じてないけど幽霊は怖い」というスタンスですwえ、京都? 千本中立売? あれもまた実話です。ホホホ。  

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じゅり@新しいパソコンを買いました。データ移行に苦労しています。
新しいパソコンが欲しいです…。今のパソコンはもう13年使っております…。何卒よろしくお願い申し上げます…。