
ショートエッセイ:英国「食」旅行記 (5)サンドイッチ
ロンドン到着後、歩くのにほとほとくたびれて、しかも腹もペコペコになった我々は、とある安くて汚いカフェに入りました。
そこはサンドイッチが売り物らしく、メニューにはハム&チーズ、BLT(ベーコン、レタス、トマトね)、タマゴ、クラブサンドイッチ(これはトマト、レタス、キューリ、コールドチキン辺りの具が入っている)などおびただしい種類のサンドイッチが。
その中でひときわ目をひいたのが、アボカド&プロート(甘海老みたいなえび)のマヨネーズ和え。お・い・し・そうな組合せじゃあーりませんか!!! 早速オーダーしました。
お店自体は、テーブルもちゃんと拭いてないし、床も汚いしウエイトレスのねーちゃんも無愛想だったのですが、期待にたがわぬ味でした。この組合せはグーよ。サラダにも応用できそう。ちなみにお値段は2.5ポンドくらい。
お店のカウンターには、サーティワンアイスクリームのように、具がいろいろ陳列してありました。きっと店頭であれこれ指差したら、自分の好みのサンドイッチを作ってくれるんでしょうね。
え?「それ、どこのSUBWAY?」って? 違~う、断じて違~う!!
10年後、私は再びロンドンでサンドイッチを食べる機会があった。今回の旅は予定が多く、ゆっくり食事をしている暇が余りなかったので、サンドイッチを食べることが多かったのだけど、英国のサンドイッチは恐ろしいことに、まず外れはない。さすがはサンドイッチ発祥の国ということか。
特に、ヴィクトリア&アルバート博物館で食べたアボカドとプローン、スモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチの簡素ながら豊饒な味は今でも忘れられない。博物館の壁や天井の華麗な装飾と相まって、王様の昼食のような気分であった。
余談だが、どうした訳かフランスのサンドイッチは美味しくなかった。ルーブル美術館のカフェで頼んだサンドイッチがパサパサのモサモサでがっかりしたことがある。英国のフランス料理は美味しかったのに、フランスの英国料理はそうでもないということだろうか。
更に余談だが、英国には「EAT」というファストフードがあって、スープとサンドイッチが主なメニューであった。このスープが日替わりで、毎日毎日外れなしの美味しさ。スープとはこんなに種類があるものかと驚かされた。サンドイッチは一寸パサパサだったが、スープでお釣りがくる。
町中の至る所に店舗があって、近くに適当な店がないと、私たちはすぐEATに入り込んでいた。
EAT、日本進出しないかな。スープストックTokyoと仲良く競争してほしいものである。
いいなと思ったら応援しよう!
