超ショートエッセイ集:妹ー下品ネタあり、注意ー

(1)マネ

妹が高校から帰ってきて、皆小腹が空いたので、永谷園のお茶漬けを食べようかということになった。
妹がお茶漬けの袋を破り、中に入っている名画や浮世絵の印刷されたカードを見ていた。
「おかしいよねぇ」
首をかしげている。
「何が?」
「このカードさ、模写なのはわかりきっているのに何でわざわざ『マネ』って書いてあるの?」
一瞬、母と私は顔を見合わせた。
プッと吹いて、あとは二人共身体を二つに折って笑い転げた。

妹はなぜ私たちが笑っているか全く解らず、一人で機嫌を悪くしていた。

(2)投票に行けなかったら

妹が20歳になり、生まれて初めて選挙に行くことになった。
投票所へ行く車の中で妹、はしゃぐはしゃぐ。
「投票ってかっこいいよね。あたしこれから毎回投票に行くからね。投票に行けなかったら、トウヒヨウ!!」

おかげでうちでは「トウヒヨウ=どうしよう」で定着しちゃったんだよ…。
妹が今でも投票皆勤賞を実行しているかどうか、私は知らない。

(3)う*ばしら

トウヒヨウの頃の妹には、変わったう*ちをすると人に見せたがるという奇癖があった。ある時妹がトイレから出てくるなり
「お姉ちゃ～ん!! 見てよ!! 縁起良いんだよ。トイレにね、*んばしらが立ったよ!!」
妹にとっては縁起物の一種だったのかもしれない。

私は逃げた。