見出し画像

大切なもの

あれから転院をし不妊治療を再開。
転院先の病院は1番はじめに行きたいと思っていた病院。
いろんな検査や治療をして胚盤胞2つ凍結。
今回は自然周期での移植。
結果として着床した。
そしてはじめて心拍を確認。エコーで小刻みに動いている。
こんなに愛おしく感じるなんて思わなかった。
しかしサイズが小さくて1週間後には心拍が止まっていた。
ある日いつも感じない腹痛があって、多少の出血もあり不安ではあった。
次の日の診察で稽留流産の診断。
ちゃんと体は異変を感じる。
流産手術の予約も取って卵の染色体の検査も出すつもりだったけど、稽留流産の診断の翌日に大量出血して全部流れてしまった。
私が毎日大切に大切にお腹の中で頑張って育ってと願った胎児はあっけなく出てきてしまった。
4回目の流産にして、はじめて心をえぐられるような悲しみを感じ、ふとした時涙が溢れる。

病院の予約を取り直し、エコーで確認した。
お腹の中に何もなくなっていた。
手術の予約は取り消し。

生理が2回きた後、凍結している最後の卵を戻す話とその後について担当医と話した。

本来なら私の年齢であれば自費でPGT-A検査もして卵を戻すのが費用対効果的には1番ということ。
保険治療だとできることが限られていて、流産となると時間もかかる。

私はネガティヴ人間なので今凍結している卵が陰性、または流産となった場合にはその後どうしていくか、そう考えて気持ちに保険をかけている。次の卵が必ず赤ちゃんとして戻ってきてくれるー!というようなポジティブな発想にはならない。ダメだった場合の落胆がすごいから。

そんなこんなで頭ん中不妊治療で埋め尽くされてる。
自費でやる場合高額である。採卵、凍結、PGT-A検査、100万円かけて染色体に異常があったら移植できないわけだから
体、メンタル、費用の大打撃しか残らない。

でもそれをやったことで染色体に問題ない卵で出産までいけるかもしれない。

すごいギャンブルのよう。
ギャンブル大嫌い人間からしたら不安しかないし
メンタルがもたない。
そんなことを考えてピリピリとして夫も察しているのか余計なことも言わないし、全て寄り添ってくれる。

あれだけ保険診療内で終わりにしようと言っていたけど、自費で最後やってみようかって。
(夫はお金ない)

まあ優しさには救われている。

そんな今日夫の誕生日。
すっかり忘れてた。急に涙が溢れた。
ごめんという気持ち。

不妊治療で頭いっぱいで身近な大切な人の誕生日を忘れるなんてね。
大切な人との子供が欲しいから治療しているはずなのに、ここ最近はみんなが持っているものを自分も欲しくて必死になってる感じ。
どうしてみんな子供産めるのに私は産めないの?
それが本音。
夫の仲良い友達夫妻に最近子供が産まれた。
つい最近不妊治療はじめた人たち。
何で私は産めないの?そんな思考やめたい。

夫と私の赤ちゃんは一瞬だけ心拍をみせてくれた。その映像は今でも脳裏に焼きついていて
本当に嬉しかった。

YOUが言ってた。欲しい時にアマゾンみたいに届かない。授かりものだって。
頑張ったら得られるのかと思ったけど
違うね。
授かりものだから頑張っても得られないこともあるんだね。

今日からはもっと夫のことを考えよう、夫との未来を。隣にいる大切な人とのことを。

いいなと思ったら応援しよう!