【まとめ】元旦の新聞広告から感じ取る時代の道しるべ。
新年あけましておめでとうございます。
本年も株式会社アドパブリシティをどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年も一発目の投稿は元旦の新聞広告まとめです。担当はアドパブリシティ特派員のツボツボがお送りします。
私が元旦の新聞広告をまとめを書くようになったきっかけは天野祐吉さんの言葉でした。
広告って物を売るだけじゃない。その時代のぼくら大衆の欲望や気分をいきいきと映しとってるんですね。時代の空気の記録係っていうか。
新年最初の新聞広告はその年の空気の道しるべになってくれるのではないかと思っています。少々長くなりますが2021年の空気を感じてみてください。
本まとめは各業界・業種や広告で表現されるクリエイティブ・言葉で分類しています。あくまで私の独断と偏見でまとめている点、ご容赦ください。
言葉を生業とする出版社
新聞を開くとまず飛び込んでくるのが出版社の広告です。言葉を紡ぐプロのメッセージにはきっと生きるヒントがあるはず。
岩波書店:想像力が明日をつくる
集英社:今日から、進年。
集英社のように各新聞社ごとでビジュアルが異なるのも新聞広告の楽しめるところ。新聞の購読者属性に応じて広告を変えているのでしょう。
小学館:こどもはみんな、何かの探偵だ。
光文社:ニュー・ノーマルな、朝の絶景。
新潮社:私たちは人類史上かつてなく他人と接続しているのに、なぜ孤独を感じるのだろう。
文藝春秋:活字のなかに「人間」がいる
2021年を進年にすべく、今年もたくさんの本に出会い、知識を知恵に変えていきたいのです。
歌うたいの存在感
年末は自宅でゆっくり紅白歌合戦やレコード大賞等、音楽に触れて年を越した方も少なくないと思います。そんな歌手のメッセージに耳を傾けるではなく、目で感じてみてください。
JUJU:今年のあなたの物語が、やさしさで溢れますように。
紅白歌合戦のJUJUには感動しました。
同じNHKで共演していた三浦春馬さんの急逝もあったのかもしれません。プロの歌い手の鎮魂歌には何よりも説得力があります。
小田和正:風を待って
昨年は小田和正さんの「クリスマスの約束」の放映がありませんでした。毎年楽しみにしているエンタメが見れない、そんなことが日常茶飯事な1年でした。寂しさを乗り越えながら、新しい楽しみ方を模索すべき年になりそうです。
L'Arc-en-Ciel:ラルク、モ~30周年
こんな時代でもラルクはいつものテンション。30年も変わらないバンドの存在もホッとします。
続いて今年もエンタメ界を盛り上げてくれそうな方々。
桑田佳祐:We Get The Victory!!
EXILE:日本を元気に。そして、日本の元気で、世界を元気に。
紅白での玉置浩二「田園」も良かった。生きていくんだ、それでいいんだ。
SixTONES:待ってろ、世界。
威勢のいい若手もどんどん攻めていって欲しいですね。歌を守るためにも、僕らはオンラインライブなど今できる楽しみ方でエンタメを応援していきたい。金銭的に応援することが、感動として返ってくるわけですから。
ステイホーム時代に住宅は何を語るか。
去年以上に2021年は「おうち時間」が増えるかもしれません。会社ではなく、おうちでできる仕事を増やしていかないと企業は立ち行かないのかもしれません。続いては生活空間の起点となる住まいを創る会社の広告です。
大和ハウス:あなたと、あなたと、あなたと。いっしょに。
ヘーベルハウス:ひとつ、ひとつ。
積水ハウス:おめでとうの言葉から
元旦らしい風景という点では積水ハウスが落ち着きます。「おめでとう」ではなく、後ろから「おはよう」という言葉が聞こえてきそうな写真がいいですね。想像力を掻き立ててくれるのも広告のチカラ。
三井ホーム:大切な暮らしを守り抜く。これまでも、これからも。
住友林業:「住む家」から「過ごす家」へ。
Panasonic Homes:原点は「良家」。
ポラスグループ:家族の世界を広げるのは、家かもしれない。
富士住建:あったらいいなを丸ごとつめこんだ注文住宅
家ひとつとってもさまざまな表現があります。安心安全を守る、家族との時間を守るなど、守るの価値観を考えるきっかけになるのが広告。
ミサワホーム:GO to FRONTIER
大林組:つくるを、つくり変えろ
スポーツの応援様式を考える
2020年はオリンピック・パラリンピックで盛り上がった年になるはずでした(表現が難しい)。2021年はスポーツを応援するカタチも変えなくてはいけません。
箱根駅伝:風よ、変われ。
箱根駅伝:応援したいから、応援にいかない。
箱根駅伝といえばSAPPOROということで。
SAPPORO:もういちど、お酒をカイタクしよう。
スポーツは応援するためだけのものではありません。自身の生活習慣の見直しのためにも、「今年こそは運動しよう」と誓った方も少なくないはず。自宅に居る時間ができれば、運動できない言い訳は立たないわけですから(笑。カラダを動かして、運も動かしたいですね。
ANYTIME FITNESS:ヘルシアプレイスをすべての人々へ!
アシックス:SOUND MIND,SOUND BODY
柳谷本店:スポーツの力で、社会の人々に活力を。
柳谷本店は化粧品メーカーだそうです。
fitbit:あなたの2021年を、Fitbitの健康スマートウォッチが応援します。
矢吹丈のように燃え尽きるくらいまで、走り抜ける気持ちで何事も挑みたいものです。
JRA×地方競馬:走れ、走るんだ新しい一年を。
エンタメの行方を占うのはNETFLIX!?
昨年2020年からNETFLIXの新聞広告が目立つように感じています。テレビでもしばしばNETFLIXのCMを見ますが、新聞広告でも異彩を放っています。
NETFLIX:想像を再生
NETFLIX:想像はつづく。再生はつづく。
NETFLIX:見てから始めるか。始めてから見るか。
個人的にはスカパーのような潔さ(いさぎよさ)も好き。正月は暇なくらいが丁度良いのもかしれません。
スカパー!:暇(ひま)
本業を全うする難しさ
元旦の新聞広告といえば百貨店でしたが、昨年は「さ、ひっくり返そう」、一昨年は「女の時代、なんていらない?」のそごう・西武はこちら。
そごう・西武:百貨店が売っていたのは、希望でした。
LUMINE:THE BEGINNING OF A NEW DAY
そしてLUMINE、百貨店も価値の見直しが急務なのでしょう。本業を全うすることの難しさが広告にも表れている気がしてなりません。百貨店のような何でも揃う万屋(なんでも屋)はなく、個々にフィットする姿勢が必要なのかも。そごう西武はサイトで新聞広告の解説も行っていますので良かったら。
WACOAL:ブラジャーの話じゃなくて、わたしは、わたしのからだのことが聞きたいです。
元旦の新聞広告だからとタイミングにこだわらずに、自社の商品やサービスをストレートに謳った方が案外伝わるのもかしれません。そんなストレートな広告をどうぞ。
ヨード卵・光:たまげた、たまごだ。コク3.5倍。
丸美屋:おいしいお家ごはんが、家族の幸せを広げる。
丸美屋は毎年このビジュアルです。見る側からすると安心感があります。
KAGOME:野菜をとろう 強化本部長に なりました 平野レミです。
山本漢方製薬:あ、また今年も「健康」を神頼みしようとしていませんか?
西新井大師:初詣
外出規制をかけても、さすがに西新井大師の新聞広告を見ただけで、初詣をした気分にはなれないか。でもこれくらいスッキリしていた表現の方が潔さを感じます。健康は神頼みせず、自身で節制せねばいけません。
sodastream:いつでも新鮮!作り立ての美味しさ!
sodastreamを見ると、どうしても上戸彩さんの隣にいたタレントさんを思い出してしまうのは私だけでしょうか?ガキ使でもお目見えできなかったようで、彼のアウトはいつまで続くのか。。。
カテゴライズできないインパクトが大事
最後はカテゴライズできなかった、新聞広告を紹介します。カテゴライズできないくらいのインパクトがあった方が目立つという点ではいいのかもしれません。前澤さんは自身がブランド化していますね。
前澤友作:全社で上場を目指します
SEIKO:やさしい時間
ノバルティスファーマ:シニアって決めたのは誰?
YouTubeチャンネル(THE FIRST TAKE):世界が一つになる、一発撮りを。
YouTubeチャンネルの新聞広告は始めてみた気がします。来年はYouTubeチャンネルのテレビ欄が勢ぞろいしていたら、それはそれで面白いかも。
salesforce:今年、人間はどこまでいけるか。
宣伝会議:世の中に「問題」があるときこそ、マーケティングとクリエイティブの出番です。
日本自動車工業会他:私たちは、動く。
まとめ「しっくりきた広告を探そう」
1.言葉を生業とする出版社
2.歌うたいの存在感
3.ステイホーム時代に住宅は何を語るか
4.スポーツの生活様式
5.エンタメの行方を占うNETFLIX
6.本業を全うする難しさ
2021年元旦の新聞広告まとめ、いかがでしたか?
元旦に新聞広告を読み比べること自体、時代錯誤かもしれません。
でも新聞という表現の海に飛び込むことで、生きる呼吸を感じられるのではないかと私は思います。
今回紹介した新聞広告でしっくりきたメッセージからはなぜ共感できたのか、逆に違和感を感じた言葉にはなぜ異質を感じたのか。その感覚を深堀りするだけでも考えるヒントになるはずです。
たまには広告もいいな、面白いな、そう感じてもらえたら幸いです。
改めて昨年の新聞広告と見比べてみても、待っていた未来の明暗の違いがありありと分かるはずです。良かったらこちらも読んでみてください。
改めて2021年もアドパブリシティをどうぞよろしくお願いします。
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最後は我が名古屋が誇るあのお店の新聞広告で締めます。今年の初「矢場とん」はいつにしようかなぁ。
みそかつ矢場とん:ウシ年にはブタ食べよう。