すごいアドリブ力!286「心の癖から解放するアドリブ力ー思い込みを知るー」
こんにちは、くらです。
アドリブ力とは、「咄嗟の判断・対応によって、自分を含め周りの人たちも幸せにする力」と定義します。
どんな人も、人生の中で培った、自分独自の力があります。
その力を周りの人とちょっとずつでも共有できれば、あなたの周りはどんどん明るくなり、お互いの力で更に明るく、そして楽しく場を育てていくことができます。
あなたの力に気づいていただくヒントとなるようなお話を紹介していきたいと思います。
あなたも私も、お互いにアドリブ力を磨いて、お互いの生きる場をどんどん明るく照らしていければと思います。
クイズ
人は、自分の思い込みから解放されたとき、自分でも分からない潜在能力を発揮する。
児童文学作家の故・椋鳩十(むくはとじゅう)さんの言葉。
「○○というやつは、人間を変えちまう。そして奥底に沈んでおる力をぎゅうっと持ち上げてきてくれる」
○に入る言葉はなんでしょうか?
[こたえ]感動
(『小さな人生論②』藤尾秀昭(到知出版社)より引用 P16)
まえがき
苦しみや悲しみにとらわれていた人が、ほんの少しのきっかけで、それを乗り越えることができたとき、我々は感動するのではないでしょうか。
思い込みを変える
椋鳩十さんは、故郷の信州伊那谷の小さな村で30年ぶりに小学校の同窓会に出席した。そこで、昔しらくも、というあだ名で呼ばれていた同級生に出逢った。ゆったりした風格、威風を感じさせているその人物が、昔しらくもと呼ばれていた、つまり、頭に白い粉の斑点が出るしらくもという皮膚病を持ち、勉強はビリでバカにされ、いつも校庭の隅のアオギリの木にポツンともたれていた、同じ人物とは思えなかった。
その人は、今では伊那谷一、二の農業指導者としてみんなから信頼されているとのこと。なぜ彼は変わったのか。
彼は自分の惨めで辛かった少年時代を、自分の子供には経験させまいとして、田畑を売っても上の学校にやろうと考えた。でも、子どもの成績はパッとしない。勉強するふうもない。高校二年の夏休みに分厚い本を三冊借りて来たのだが、一向に読む気配もない。表紙には埃が積もった。
「彼は考えた。子どもに本を読めというなら、まず自分が読まなければ、と。農作業に追われ、本など開いたこともない。最初は投げ出したくなった。それでも読み続けた。引き込まれた。感動がこみ上げた。
その感動に突き動かされ、三回も読んだ。その本はロマン・ローランの『ジャン・クリフトフ』。聴覚を失ってなお自分の音楽を求め苦悩したベートーヴェンがモデルだといわれている名作である。主人公ジャンの苦悩と運命が、彼にはわがことのように思われたのだ。
だが、ジャンは自分とは違っていた。ジャンはどんな苦しみに落ち込もうが、必ず這い上がってくる。絶望の底に沈んでも、また這い上がってくる。火のように生きている。自分もこのように生きたいと思った。そのためには何か燃える元を持たなければ。自分は農民だ。農業に燃えなくてどうしようーーーーー。
彼は農業の専門書を読みあさり、農業専門委員を訪ねて質問を浴びせ、猛烈に勉強を始めた。斬新な農業のやり方を試みて成功させ、そして、しらくもはみんなから頼りにされる農業指導者と化した。
この話をされた椋鳩十さんは、終わりに力強くこう言っている。
『感動というやつは、人間を変えちまう。そして奥底に沈んでおる力をぎゅうっと持ち上げてきてくれる』
人間の目は前に向かってついている。前向きに生きるのが人間であることを表象しているかのようである。
感動は人を変える。笑いは人を潤す。夢は人を豊かにする。そして、感動し、笑い、夢を抱くことができるのは、人間だけである。天から授かったこのかけがえのない資質を育み、さらに磨いていくところに、前向きの人生は拓けるではないだろうか。」
(前著より引用 P12-16)
あとがき
人は、自分次第でどうとでも変われる、ということを教えてくれるお話です。
生来の、自分ではどうしようもない実情、環境がとことん自分を苦しめても、それも、自分次第で乗り越えることができる。
なぜそんなことができるのか。一つは、人を動かしたい、という熱情なのではないか。
人を動かすには、まず自分が動かなくてはならない。自分を動かすには、自分ができることを精一杯やることから始めるしかない。その精一杯が、自分を磨き、そして、周りを動かす。
今回もお読みいただきありがとうございました。
今日の一言
「今日の一言:心の癖から解放するアドリブ力は、思い込みを乗り越え、自分から動くことで磨かれる」
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