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すごいアドリブ力!157「構造からのアドリブ力」

すごいアドリブ力!156「構造からのアドリブ力」21.08.01

ここで取り上げるアドリブ力とは、「咄嗟の判断・対応によって、自分を含め周りの人たちも幸せにする力」と定義します。
このブログは、今まで困難を乗り越えて自分の道を切り開いて来た方々の、困難に出くわしたときに発揮されたと感じるアドリブ力を取り上げ、人生をより豊かにするための参考にしていただければと思い、発信しております。

今日のクイズ

ジャズのアドリブの天才、チャーリー・パーカーでもその創造力を解放するためには「○○」を使わなくてはならなかった。

○○に入る言葉は何でしょうか?


[こたえ]構造

(『ひらめきトレーニング』ジョシュ・リンクナー(東洋経済)より引用)

まえがき

ギターのアドリブをするとき、一番の指標は、コード、ということになります。

それを中心に、コードプログレッション、スケール、アルペジオ、などが展開されます。アドリブに必要な基盤は?


構造による創造

「パーカーは、作曲能力が特別優れていたわけではない。彼が書いた曲は、せいぜい並みの出来栄えだった。

また、伴奏が得意だったわけでも、楽譜を正確に再現する演奏技術が評価されていたわけでもなかった。それどころか、変人で扱いが難しいことで有名だった。彼は評価されたのは、その驚くべきアドリブ力によってだった。

パーカーは、自分の創造力を即興演奏で発揮することに優れていたのだ。

だが、人類史上最も創造力豊かな一人であるチャーリー・パーカーでさえ、その創造力を解放するためには『構造』を使わなくてはならなかった。

ジャズ演奏のほとんどはアドリブとはいえ、基盤となる枠組みは存在する。

それがあるから、奏者は音を紡いて感情を表現することができるのだ。

音楽で言う『構造』には、調子記号、テンポ、拍子記号、コード進行、パート分け、曲のスタイル(スウィング、バップ、バラード、ブルースなど)などが含まれる。

型や指標は創造力を制限する、と思うかもしれないが、むしろその逆だ。ジャズでは、曲の構造があるからこそ、創造力が発揮できる。

音符、コード、スタイル、パート分けなどさまざまな要素が合わさったものが、奏者全員に共通する枠組みとなる。

それを基準にして独創性を模索するのだ。たとえば、曲のコードに基づいて、メロウな演奏かハードな演奏にするかを決め、聴衆の緊張感を和らげたり高めたりする。

もともとのスタイルを残しながら、新たなスタイルを築いたりする。このように、『構造』に基づいて演奏するから、統一感のあるサウンドが生まれるのだ。

(中略)

それに、構造があることで創造力が生まれやすくもなる。たとえば、自分の仕事ぶりを表すいい喩えはないかと言われても、そう簡単には思い浮かばない。

だが、自分の仕事ぶりを『鉛筆に喩えて』説明しろと言われれば、ずっと説明しやすくなる。『尖っていないと能力が最大限発揮できない』『間違っても修正がきくのでどんなリスクも受け入れる』などと答えることができるだろう。

同様に、新商品のアイデアを出せ、とだけ言われても漠然としすぎていていい案が浮かばない。

しかし、ギリシャ神話をイメージした新商品のアイデアを出せ、と言われれば、女性向けには『メデューサ・シャンプー』や『アフロディーテ・アロマセラピー』、男性向けには『ゼウス・シェービングクリーム』などが思い浮かぶ。

ジャズバンドのメンバー同様、所定の構造のなかでなら、人は自由に創造力を解放できるのだ。」
(前著より引用 P34-36)

あとがき

ひらめきや創造の基盤に、既存からの発想、組み合わせ、置き換え、などがよくあげられます。

ゼロからの発想というのはなかなか難しい。

でも、既存の枠組みの中でなら、却って発想が浮かぶというのは、どの領域でもきっと同様なのでしょう。

今回もお読みいただきありがとうございました。

今日の一言

「今日の一言:アドリブ力は、構造や枠組みの中で飛躍する」


今日の「みんなのフォトギャラリー」

いつも「みんなのフォトギャラリー」からすてきな画像を拝借しております。今回は、みずたまさんの画像です。ありがとうございます。
光の帯のアドリブ。


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