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人生の振り返り | 転職 8社目 1年継続 色々な社会勉強 #13
なんのキャリアも築けていない、資格もないのでどうすればわからなくなっていた。
しかし、生活面や子供の学費、家のローンを抱えてた私にとって就職先をじっくり考える余裕も時間もなかったうえに、ハローワークの募集を見ていても、求人雑誌を見ていてもまったく希望先がなかった。
数日がたって職安で名古屋のリフォーム会社の大阪支店立ち上げにともなう従業員募集を目にした。早速、応募し履歴書を送ったところ、後日大阪で面接を行なうとの連絡をもらった。
面接は社長とだった。名古屋で1ヶ月研修があるが大丈夫かと聞かれ、快諾したところ入社が決まった。
住宅ローンの借り換え手法をうまく使ってリフォームをする顧客をみつける仕事であった。
名古屋での研修は、主にテレアポだった。大阪からの同僚は3人だった。研修後、大阪支店の立ち上げを行いながら、実践開始となった。
名古屋と大阪で実感したのだが、テレアポでも客先の受け答えが全然違った。名古屋の人は、セールストークは、最後まで聞いてくれた上で断りがある。大阪の人は、トーク開始後5秒で切られる。
電話を切られない場合は、どこで電話番号入手したのか?からはじまり、怒られながらいろいろと話題がそれていくのである。件数稼ぎは、大阪の方が圧倒的にできるが、ほとんど冷たく嫌がられ切られる。
名古屋の人は、会話の中でこちらが関西人だとわかると一気に対応がかわったものだ。もちろんクロージング方法も違ってくる。
大阪でアポをとって訪問してのクロージングは、名古屋の年下の若い営業に同行してやってもらったのだが、全く決まらないのだ。要は、借り換えとリフォームの組み合わせで金利が一挙に安くなる説明を最後に持ってくるのだ。大阪人は、『フーンそうなんや。ほな自分で考えてやるわ』でお終い。
大阪では先に種明かしをすると、話を聞いてくれる。
地域によって、ここまで人が違うとはということを実感したのだった。
一度、夜遅くの時間にアポが取れたとき、一人で行ってあっさり、ほぼ最高額で受注した。本社社員同行で10案件以上が総崩れだったのが、初めて単独で一人で受注したので、勝手にクロージングに行ったことは責められずだった。
関西出身の社長は、『もうお前らで行け!』ということになった。あと2人の同僚は、リフォーム会社出身だったこともあり、教えてもらいながら関西人だけでのクロージングが始まった。
それからは、順調に受注できた。
課長が来阪したとき、和気あいあいな話の中で、『まさか君たち下請けの工事会社からバックマージンもらってないやろね』と言われた。
そんなことするなよと言うつもりで言ったのだろうが、私達の受け取り方は違った。えっ?課長もらってるんですか?課長の年収はいくらぐらいですか?などの質問攻撃で最終的にバックマージンを貰っていることを間接的に認めさせた。
これらの件は、善悪やグレーゾーンについてかなり勉強になった。
相談事や雑談を社長とふつうにする私達をみて、名古屋の若手社員たちはビクビクしていた。名古屋で、社長はどなりちらしていた。社員はみんな社長の前では、完全に萎縮してまったく自分を出せずにいたのだ。
イエスマンだらけの、まさにブラック企業だった。年齢や経験値がものをいうのか、私達が社長にどなられても、あたりまえな場合は、素直にあやまり、トンチンカンなことを言われれば、言い返すのであまりどなられなくなった。
大阪から本社の人間がいなくなると同時に監視のためのWEBカメラが置かれるようになったのだが、同僚は必ずそのカメラを天井に向け天井を写していた。部長や課長からもとに戻せとお叱りの電話がかかってくるので一瞬は直すのだが5分後にはまた上に向けるので、呆れられその監視も無くなった。
その同僚は、違った意味で凄いやつだった。結局、私が大阪支店長となった。おそらく3人のなかでは、一番無難な人選だったと思う(笑)
アポインターのパートさんも雇い軌道に乗りかけた矢先、同僚が、名古屋から様子を見に来た課長とぶつかったのを機に彼は退職する方向になった。テレアポ手法は、大阪では難しくなってきたので、その同僚が会社を起こすから付き合ってくれということになった。時代の流れからこの手法は通用しなくなってきたので、自分自身も危機感があった。社長も大阪を閉めることを匂わして来たものだからこちらも全員退社することになった。
後半は、さらっと書いたが本社上層部とかなりの攻防戦があった。結局この会社のビジネス手法は長続きしなかった。いまどうなっているかも定かではない。普通の会社が一般家庭に行うテレアポビジネスの終わりを見た感じがした。(20年くらい前の話)
今は、電話帳もなく、携帯電話にセールス電話がかかる世の中になってきているが。。。