見出し画像

全社共通のバリュー「アドインテ五か条」を制定しました

こんにちは、アドインテ代表の十河です。

2024年11月、アドインテでは全社共通のバリューとして、「アドインテ五か条」というものを制定しました。正直に言ってしまうと、私自身はこういったものが苦手で、毎朝の朝礼や決まり文句を唱えるようなやり方から距離を置いてきました。ですが、組織の成長段階において、今全社で目線を合わせる取り組みが必要だと感じているところです。

まず、五か条の内容をご紹介します。

第1条 Chaos
短所より長所に目を向け、混沌とした複雑で先が見えない状況を楽しむ。
互いの事業や取組み、様々な価値観を尊重する。

第2条 童心
知らないこと、難しいことに対して、
いつまでも子供のようにワクワクしよう。

第3条 柔軟性・順応性・新規性
新しいアイデアを柔軟に受け入れ、
新しいサービスにつなげること。

第4条 顧客第一主義
しかし顧客の御用聞きではない。
顧客に対して真に価値を与えることを優先する。

第5条 利益志向
粗利を最大化するということは、
顧客に付した価値を最大化するということ。
だから追い求める必要がある。

なぜ今、五か条が必要なのか

アドインテは今年で創業から15年。従業員数も特にこの数年で大きく増加し、様々な事業を展開しています。昔は私が直接社員と接する機会も多くて、会社の方向性や価値観を言葉で伝えることができていましたが、組織が大きくなるにつれ、それが難しくなってきたように感じています。

特にこの成長過程で、三つの重要な課題に向き合うことになりました。

評価制度の改善

従来の評価制度には課題があって、評価の軸がブレていたように思います。社員一人ひとりの成長を適切に評価し、支援するためには明確な行動指針が必要でした。特に非営業部門の方々に対して、その仕事がどのような価値を生み出しているのか、将来的にどのような価値になるのかを意識してもらう必要性を感じていたところです。

価値観の共有

組織の拡大に伴って、私の考えが直接社員に伝わりにくくなってきました。「カオス」を恐れず新しいことに挑戦する、顧客の本質的なニーズを見極めるといった私たちの価値観を、より明確な形で示していく必要がありそうだと考えていました。

上場に向けた体制作り

将来の上場も見据えて、会社としての行動指針を明確にしていく。成長のステージが変わる中で、組織としての一貫性を保つための土台が必要です。

5つの約束の意味

「五か条」には、それぞれに重要な意味が込められています。

まず「第一条 Chaos」について。
事業に例えると、ある事業部の短所を批判するのではなく、その事業の価値を尊重し、良い点を見ることで改善点を共に議論していく。これが「Chaos」の本質だと考えています。成熟化が進み、人口が減少していく日本において、新たな価値が次々と生まれる混沌とした世界が形成されていくでしょう。社員がそんな社会でも生き延びられる人材になってほしい。それが第一条に込めた思いになります。

「第二条 童心」と「第三条 柔軟性・順応性・新規性」は密接に関連していますね。
ITの世界は常に新しいサービスが次々と登場します。リテールメディアや分析、AIICOのサンプル配布、NFT販売など、これらの事業を軸に全員で考える新しいサービスを積極的に取り入れていきたい。そのためには、固定観念にとらわれない柔軟な思考と、知らないことや難しいことにも挑戦する気持ちが大切だと感じています。

「第四条 顧客第一主義」は、しばしば誤解されることが多いですが、単にお客様の要望をすべて受け入れることではありません。
あるお客様の担当者から具体的な要望が出された時、その要望が本当にその会社全体にとって必要なものなのか、より本質的な課題は何なのか、をしっかりと考えていく必要があります。

「第五条 利益志向」は、非営業部門を含む全社員が持つべき視点だと考えています。
ある事業部で月間売上10億円を達成したとしても、そこに何名の社員がいて、営業メンバー、分析メンバーの人件費、サーバー代、事務所の販管費などを考慮すると、実際の利益はどうなのか。そういった視点を持つことが重要になってきます。これは私たちが提供する価値の大きさを示す指標であり、社会への還元を可能にする基盤でもあるわけです。

私自身も変化している

私自身、この五か条の制定を通じて、経営者としての在り方を見つめ直すいい機会となりました。数十人規模の会社では必要なかったものが、今では不可欠になっている。この変化を受け入れ、自分自身も成長していかなければと強く感じているところです。

人間は死ぬまで成長し続けなければなりませんし、私も例外ではありません。例えば「童心」の条文には、経営者である私自身への戒めも込められています。役職に就いたからって偉そうになったり、上から目線になったりするのは本当によくないことだと思うんですよね。

実は、私の経営者として根っこの考え方自体は、それほど変わっていません。ただ、それを表現する方法は、組織の成長に合わせて変えていく必要がありました。たとえば、社会に還元できる利益を出す会社を目指すという思いは創業時から持っていましたが、それを実現するための方法は、従業員の数や事業の広がりに応じて進化させていく必要があったように思います。

五か条の制定は、このような私自身の経営観をより明確に示す機会にもなりました。単なる事業の成長や売上の拡大だけではなくて、社会全体の幸せに貢献できる企業を目指していきたい。そのために必要な行動指針を、シンプルながらも本質的な形で示すことができたのではないかと考えています。

発信後の変化

アドインテ五か条は、すでに日常業務の中で具体的な判断基準として機能し始めているようです。ある社員からは、軸がブレそうになった時に、五か条に立ち返って自分を取り戻しているという声を聞きました。また「楽しむ姿勢」が育まれることで、業務に対するストレスが軽減されつつあるようです。

「まだ分からないですが(笑)、ワクワク感を持ちながら取り組むことで、自然とモチベーションが上がっている気がします」といった前向きな声も聞こえてきました。少しずつではありますが、日々の業務における指針として、五か条の定着を感じる事例が増えてきて嬉しく感じています。

アドインテは技術を通じて社会の変革に取り組んでいます。ですが、技術だけでは十分ではありません。私たちのビジョンを実現するには、それを推進する人材が不可欠だと考えています。

五か条は、その実現のための重要な土台となります。形骸化しがちなビジョンやミッションとは異なり、五か条は具体的な行動指針として機能させていきたい。そして、この行動指針のもとでより良い組織、より良い社会を創造していくつもりです。

編集:アドインテ採用担当チーム