「どろんこ遊び」の良さ&知っておくべき注意点
「小さい子供は、自然の中で自由に、泥んこになって遊ぶ方が、子供らしくて良い」
とよく言われます。
私たちもなんとなく
「そうだろうな」
と納得してしまいます。
でも、なんでかな?
どろんこになって遊ぶことのメリットは?
発達心理学的に、神経科学的に、あるいは医学的に証明できるのかな?
などと疑問が湧いたので、早速調べてみました。
ここでは、どろんこ遊びの医学的、発達心理学的なメリットと、注意点についてお話しします。
泥んこ遊びの効果
どろんこあそびは、子どもの身体的、情緒的、認知的な発達に役立つという研究結果があります。泥んこ遊びがもたらす効果をいくつかご紹介します。
免疫力を高める
泥んこ遊びをすることで、子供たちは健康なバクテリアに触れ、免疫システムを強化し、病気と闘うことができるようになります。
創造性を高める
泥んこ遊びは、子供たちが想像力と創造力を駆使して、泥の山を作ったり、構造物を作ったり、彫刻を作ったりすることができます。
運動能力を高める
泥んこ遊びは、掘ったり、すくったり、型にはめたり、さまざまな動きをするので、指先などの微細運動能力や全身で動く粗大運動能力を発達させるのに役立ちます。
ストレス解消
泥んこ遊びは、子供たちのストレスや不安を軽減し、リラックスできる癒しのアクティビティです。
社会的スキルの向上
泥んこ遊びは、子供たちが互いに交流し、道具や材料を共有し、プロジェクトに協力することを促すので、社会的スキルやチームワークを促進することができます。
どろんこ遊びの研究結果
『Pediatrics』誌に掲載された研究では、人生の早い時期に土や細菌に触れることで、アレルギーやぜんそくのリスクを減らすことができると報告しています。
また、『Journal of Environmental Psychology』誌には、泥などの自然環境で遊ぶと子どもの注意力や認知機能が高まるという研究結果も掲載されています。
以上のことから、泥んこ遊びは、子どもの発達にとって楽しくて有益な活動であることが科学的にも証明されていることがわかりました。
どろんこ遊びの注意
このように良いことだけを書くと、まるで
「どろんこ遊びは万能」
のように思われてしまいそうなので、
注意点についても紹介しておきます。
安全性&衛生面
どろんこ遊びは、滑ったり、転んだり、その他の危険を伴う可能性がありますし、泥の種類によっては、農薬、化学物質、その他の汚染物質などが含まれている場合もあります。
子供たちを遊ばせる前に、遊び場や泥の安全性を確認する必要があります。
また泥には細菌やバクテリアが含まれていますので、泥んこ遊びをした後は、石鹸と水でしっかり汚れを洗うようにしましょう。
どろんこ遊びは万能ではない
また、泥んこ遊びをしたからといって、子供たちが心身ともに健康に育つとは限らないことも知っておいてください。
健康的なライフスタイルには、運動、健康的な食事、十分な睡眠、安心できる環境など、様々な要素が含まれています。どろんこ遊びは、子どもの幸福や、健康で活動的なライフスタイルの一要素です。ですから、子供たちに泥んこ遊びを含む、さまざまな身体活動をするよう促してあげましょう。
どろんこ保育園/幼稚園を考える時
どろんこ遊びをたくさんさせてくれる保育園や幼稚園は、多くの保護者の方々にとって嬉しいものです。親はなかなか子供のどろんこ遊びに毎日付き合うのは大変ですし、子供が外で思いっきり遊び、心身ともにイキイキとしていて、楽しく園に通ってくれると、親として安心します。
子どものニーズに合っているか?
泥んこ遊びばかりさせる園では、バランスのとれた遊びができず、すべての子供たちのニーズを満たせない可能性があります。
例えば、室内遊びを好む子供たちや、今日は違うことをしたて遊びたいと思う子どもたち、健康上の問題や体調不良で泥んこ遊びが難しい、あるいは安全でない子供たちもいます。
息子たち「つまんない。もっと遊びたい」
この記事を書きながら、私の双子の息子の保育園で、一時期「泥だんご作り」にかなり熱をいれていたことを思い出しました。子供たちは毎日のように、硬くてまんまるでピカピカの泥団子を作るために、試行錯誤しながら遊んでいました。保育園は「泥団子コンテスト」も開催し、子供たちが作った泥団子を陳列し、ピカピカの団子には賞を与えていました。
なんでそんなに泥団子に力を入れているのかと尋ねたところ、先生方は口を揃えて「泥団子作りの素晴らしさ」を語ってくれました。
へぇ〜そんな隠れた効果があるんだな〜
と感心していたのですが、
当の息子たちは
「いや、遊んでるでしょ」
と思ったのですが、子供たちはもうすっかり飽きていたのでした。
子供にとっては、遊びも義務になればつまらないのです。
どんなに成長や発達に良い研究結果が出ている活動であっても、当の子供が「楽しい」と思っていない場合、子供が「やってみたい!」「もっとやりたい!」と思わない限り、恩恵は受けられない、効果がないということです。
大人の独りよがりにならないように、気をつけたいですね。