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躁転あるある『離婚』を持ちかけられる

彼の奇行は日に日に増していき、それを子どもに気付かせないよう、彼が奇妙な行動を始めると、子どもを別室に連れていくのが習慣になっていました。そんな彼の様子を見ていると、私の言葉はまるで届かず、まるで我が家に「グレゴール・ザムザ」がいるかのように感じ、彼の家族の心情に思いを馳せるようになりました。(「内田裕也」とあだ名をつけたりもしてました)彼の状態は悪化の一途をたどっています。躁状態の彼にどう対処すればよいのか分からないままでしたが、止めること以外に方法がないのだと痛感していました。悩んでいる暇はありません。

ある日私は、タバコについてLINEで問い詰めました。

彼は「ハハッ!!それは仕事のためのもの。今タバコの広告を先輩と電通から奪い取った。100万円の仕事だよ!!」とと、普段の彼とは全く違うテンションで返信してきました。(モトットにとっては100万円は大金だから、虚勢をはるためにこの金額を言ったようですが、電通の仕事で100万円・・・・。少なすぎる・・・)

私が見つけたのは、紙袋に詰められた大量の電子タバコの吸い殻でした。これが仕事のためだという彼の言葉が嘘であることは明白でした。おそらく、家の近所でこっそり吸い、その痕跡を隠すために吸い殻をカバンに入れて持ち帰り、捨てていたんでしょう。

息子を別室に寝かせた後、帰宅したモトットと話をしました。以前、「タバコを2度と吸わない」と約束したことを伝えると、彼は「あなたは賢いのに、それに気づいていない」などと言いながら、話を延々と逸らし始めました。そして、なぜか上から目線の態度で話してきます。(何度も言いますが、私はモトットに約100万円を貸しています。)彼の話は一見論理的なように聞こえますが、実際には私より優位に立つための威圧的なものであり、その内容のほとんどが支離滅裂でした。

薬を飲んでいるかどうか確認しましたが、「飲んでいない」といいました。
その理由を聞くと、「主治医が必要なければ薬(ラツーダとコンサータ)は減らしてと勧めた。むしろ僕は双極性障害を克服した。」と。

モトットは「もうここにはいられない。家をでていく。」といいます。

私はベッドの上に座ってその話を聞き、鍵を置いていくようにいいました。彼が鍵を置き、玄関のドアが閉まる音がしました。私は、ベッドの上に座ったまま、静かにそれを受け入れました。

息子が指差して言葉遊びをしていた塗り絵

前日の晩御飯中のこと。壁に貼られたフルーツの絵を見ながら、息子が「りんご、ぶどう」と覚えたての言葉を使い、フルーツを指差して楽しそうに話していました。本来であれば、とても和やかで微笑ましい家族の風景になるはずです。ところが、モトットは息子がフルーツの名前を口にするたびに「それは原爆や!」と繰り返し叫ぶのです。幸運にも息子はまだ「原爆」という言葉の意味を理解しておらず、父親の異常な様子にも気付いていません。しかし、これ以上モトットを子どもの近くに置いておくのはあまりにも危険だし、私の精神が持ちません。

この家は私が結婚前に購入したもので、ここで何か大きな問題を起こし、住めなくなってしまうことは、どうにかして避けたいことでした。なので、モトットがすんなりと出ていってくれて、内心ホッとしました。

一方で、発症前はあれほど私に優しかったモトットが、まるで別人のようになってしまったことは、私にとって大きなショックでした。さらに、これからは仕事を続けながら一人で子育てをしていかなければならない現実を思うと、気が遠くなりそうになっていました。(もう白目剥きそう)

しかし、本当に大変だったのはその後でした。モトットからLINEで離婚の意思を伝えられたかと思うと、私が婚前から所有している不動産の値上がりを知った彼が、その値上がり分にも自分に権利があると主張し、財産分与を求めるメールを送ってきたのです。

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