置かれた場所で咲こうとするな、咲く場所は自分で選べ
自己紹介とやらをしてみる
コッピ―は注意欠陥多動性障害の女の子です。そして大学院生です。
コッピ―というのは、昔飼っていた魚の種類です。4匹飼っていた中で、3匹すぐに死んでしまったのに、1匹めちゃくちゃ長生きした子がいました。私もあのコッピ―のように、レジリエンスが高くありたいと思ってこの名前にしました。
提示すべき必要な情報ってこんなところでしょうか。自己紹介しろって言われたとき、何を言っていいか本当わかんないよね。突っ込んだ話をしたくなるけどあくまで初対面だから、けっこう距離感を気にしないとだし。
おっと、さっそく話が逸れました。
コッピ―はゴリゴリのADHDで、目標に向けて自分をコントロールする能力が低く、注意力も欠陥してるし、なかなか身体が動かないことも多くて、入るぞと決めてから何時間もお風呂も入れない。やる気が出なくてお布団の中でウンウン唸っている時もあるし、脳内多動で「おい脳内!!!!うるさいよ!!!」と言いたくなる日もあります。
でも自分のことはけっこう好きだし、基本的にハッピーに暮らしています。目標の遂行には苦戦しつつも、修士論文(90ページくらいの研究)もなんとか仕上げることができ、博士課程に進学できました。
そして、めちゃくちゃありのままの自分で生きています。
大好きな人たちとの楽しいお酒の入れ合いっこはするけど、お酌はしませんと笑顔で宣言しているし、女子なのに〜とか言われたらすぐ「ジェンダーロールの押し付け!!!」って暴れる。興味ない話をされたら脳内に流れてる歌を熱唱し出すなどして、図々しく暮らしています。
これってうざい人にはうざいし、うわー常識なくて無理だ、頭おかしい、と思う人はいます。実際、そう思った人は去っていきます。でもそれでいいんです、万人に好かれる必要はないとコッピ―は思っているからです。
それくらい、振り切れるようになって、嫌われることを恐れることなく、自分らしい振る舞いができるようになったのは、個性や多様性を尊重してくれる、優しい世界の住民になれたからだと思っています。
石の上にも三年いれば二次障害
コッピーに特別な才能はありません(IQは凸凹を除くと平均的)。
コッピーは、中学生でいじめられて人間不信になり、自分のことが大嫌いになりました(今考えると、いじめられた原因がわりとADHDに関連していることが何とも皮肉です)。
いじめがなくなった以降も、笑い声が聞こえると自分の悪口を言われているような気がして、自己肯定感が地の底についてしまって、毎日死にたくて死にたくて泣いていました。
勉強も手につかなくなり、成績が悪くなって、教師から嫌われ問題児扱いをされるというというどん底のループでした。
自分はなんて怠惰で情けない奴なんだと思っていたし、人前で言葉が全く組み立たなくなってしまった時期もありました。
今思えば、さっさと環境を変えるべきだった・・・!
不登校でも転校でもいい。とにかく逃げろ。二次障害は人の発達の大敵なのです。
環境を変えて、また嫌われたらどうしようと恐れていました。一から人間関係を構築することも労力がいることだからです。でも自分が思っているよりもずっと世界は広い。たとえ一度適応する環境に行けなかったとしても、どこかしらには必ずあるのです。
そして、逃げ癖がついてしまうのも怖かったです。しかし、逃げ癖ってなんやねんですよ。逃げることは全く恥じゃないです。仮に環境を変えまくる事になったとしても、常に変えていく人生でもいいと思うんですよ。今は色んな生き方や学び方、お金の稼ぎ方がある訳ですからね。
と思っているのも、なんとか二次障害を克服し、自尊心を取り戻して、失ったものは多かったものの、それでもADHDを肯定できるようになり、ここまでやってこれたのは、たまたま良い環境に行けたからだからです。
厳密に言うと、大学に入って以降の「人との出会い」にとても恵まれていたのです。
そして、コッピ―は自分が心地よいと思え、ここだ!と納得できる場所に出会えるまで、たくさんたくさん環境選びをしました。ひたすらトライ&エラーです。環境選びのための活動(自己分析・障害理解・インターン・見学など)にもすごく時間をかけたと思います。
もしもあのとき、あの人やあの人のサポートがなかったら、できない事に対してすごく注意をしてくる人と一緒に居続けたら、最後まで同じ環境にしがみついて、心が完全に折れてしまっていたら、今どうなっていただろう…と思うとゾッとするようなこともたくさんあります。
今、生きづらさを感じているADHDの方へ
それって結局、ざっくり言ってしまえば人間関係の悩みによる生きづらさではありませんか?
つまり、自分がADHDであること自体じゃなくて、ADHD特性によってできないあなたを責めてくる、上司や友人・恋人・家族に関する悩みをお持ちではありませんか?
あなたが生きづらい原因は、周囲の人間や社会的要因によって作られている部分が大きい可能性があります。
一生懸命やっていてもどうにもできないものを「もっとがんばれ」「なんでそんなことができないの」「みんな努力してるよ」と言ってくる人たちがあなたが自分を肯定できない理由になってはいませんか?
大人になってしまった人の価値観を変えることは非常に難しいです。みんながADHDについて理解してくれることは理想的ですが、今の環境にいる、ADHDの特性を否定してくる人たちを説得し、理解してもらおうと努力することは、自分の精神を消耗することになりますし、ほとんど結果が出ない可能性があるので、とてもコスパが悪いです。
ありがたいことに、ダイバーシティ(多様性)の考え方は近年広がっていて、他者の特性を受け入れることに比較的寛容である集団もいます(この性質に関する考察は後日書きたいと思います)。
コッピ―は、その多様性に寛容な人たちが多めに生息している環境まで泳いできたら(そういえば魚なので)、とっても生きやすくなりました。
でも残念ながらその中にも、多少は嫌な人はいると思います。そこで、
「自分の常識を押し付けてくる人とは深く関わらない」
「自分以外の人の苦しみを想像できない人とは深く関わらない」
これを徹底したら、だいぶ悩みは消えていきました。今では家族や友人、大学院の人にも自分がADHDであることをカミングアウトできるようになり、もちろん自己嫌悪したり辛い日はありますが、比較的生きやすく、ポジティブな人生を送っています(適切なカミングアウトの方法についても考察したいと思います)。
まとめ:一般論でネガティブな評価をしてくる人からは逃げつつ、優しい世界の住民になって心地よく生きよう
そうは言っても、生きるためには今の環境を変えることは難しいよという方もいらっしゃると思います。ADHDへの配慮を手に入れたり、パフォーマンスが落ちてしまっている負のループから抜け出すためにも、まずは比較的受け入れてもらえる環境へと移ることが重要だと思っていますが、まあ大胆で無責任な話でもあります。
あるいは、現在の環境は関係なく自分のことが大嫌いで生きにくい方がいると思います。そういう方は、幼少期から積み重なってきた失敗体験が傷となっている可能性があるので、他の方法が必要になってくると思います。
そういう方々でも、どうすればADHDの特性があっても、社会の中で自分らしく生きていけるか、引き続き情報発信していきたいなと思っています。
コッピーは大学院生なので、ADHDの人にオススメする、勉強法についても詳しく書いていきたいと思います(需要があれば)。
ADHDの方が何の情報を求めているのかもっと知りたいので、リクエストやお悩み相談などもお待ちしています!
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