生きづらい現状を変えたいと切に願う人へ
コッピーです。noteを定期的に書きたいと思いつつ、普通に1週間以上空いてしまいました。書きたいことはたくさんあるんですよ。コンスタントに書きたいものの、先延ばししてきた日々の作業に追われています。
我ながら言い訳がましいですね。
気持ち的には言い訳というよりも正当な理由があるんですが、一般的にはそういうプロセスよりも結果が重視されますよね。
大学院でちょうど先延ばし傾向についての研究をレビューしている後輩がいて、なにか科学的な方略はないか尋ねたところ、先延ばしをターゲットにした臨床的介入もあるようですが、彼自身も先延ばし常習犯だそうで(彼的には)今のところ有益な方法はないとのことで絶望しました。
とはいえ有益な知見をいくつかシェアして頂いたので、いつか先延ばしのことについてもまとめてみます(という先延ばし)。
自分のことがよく分からないADHDさん多すぎ問題
さて、以前Twitter上でADHDのサポートに関するアンケートを取り、400名ほどのADHDさんが答えてくれました。
ADHDの皆さんは具体的にどんなサポートが足りないと思い、求めているのか知りたかったからです。
実はちょっと驚きました。だって、ADHDの本やまとめは巷にあふれていて、ADHDに関する情報を収集することはいつだってできるからです。
それからコッピーは思いました。
そういえば、コッピーだって自分の特性について客観的に語れるようになったのはここ数年のことでした。ほんと、昔のことってすぐ忘れる。
大学二年生のときに診断がついたものの、それから四年間はぼんやりとした理解でした。発達障害やADHDについて客観的に説明できるレベルに理解を深められたのは、研究をプレゼンするために言語化することを求められるようになってからだったのです。
それまでは、薬を飲んでいないと言いたいこともまとまらないし、ADHDについて理解してもすぐに忘れてしまって、説明しようとしてもできず、自分が何をしたくて今この生活をしているのか、ふと見失うこともよくありました。
ということで、べつに驚くべき話ではなかったんですよ。
そもそもTwitter上にいるADHDさんやノートを読んでくれている方は「診断がついたけど、ADHDについてよく分からない…!」あるいは「ADHDかもしれない」「ADHDの人が周りにいないんだけど、どうやって生きていったらいいの?」という段階の方が多いのかなという印象です。
とても過酷な発達障害の定番ルート
いまの世代で大人の発達障害というものにたどり着いた方々は、おそらく学校生活の中で不適応を起こしていたり、アルバイトでミスが異常だったり、仕事での人間関係が上手くいかなかったりという経験をされている方がほとんどだと思います。
そして原因は自分の努力不足かもしれないと思い、対策するも一向に改善されず「これはいよいよおかしいぞ」と違和感を抱え、調べたり人に指摘される中で発達障害というラベルに出会ったという方が多いのではないでしょうか。
職場で嫌われていたことによって、精神的なストレスを抱え始めたなど、二次障害が併発している人も少なくありません。
つまり現在、発達障害の診断がついている大人は、どこかの段階で何らかの挫折を経験してきた人々である可能性が高いと考えられます。
コッピ―は、ADHDという診断がついた人々にインタビューをしてきましたが、そのほとんどの方がこのルートを辿っていました。
大人の発達障害のひとつの診断基準である「社会生活に支障をきたしている」という項目が存在することからも上記のことが言えると思います。
(大きな挫折がなければ、理論上それは単なる発達特性の偏り/凸凹の傾向なのです。)
みんなレジリエンス高い説
コッピ―はここにたどり着いた皆さんに、まず、今までよく生き抜いてきたね!と称賛したいのです。
時には消えたくなったり、死にたくなるようなこともあったでしょう。
でも、なんとか立ち上がってきた皆さんのその経験は、いつか財産になると思います。
不適応状態真っ最中の人は、うるせえよ!と思うかもしれませんが、大きな挫折経験って、実は誰でも経験できることではないですよね。
これを読んでいるということは、少しでも生活を良くしたいという想いがあって、こんなに長いまどろっこしい文章(すみません)を読んでくださっているのだと思います。それだけですごいことなんですよ。
色々あって何をやっても上手くいかないから、どうせ自分は無理なんだという無力感に苛まれ、自己効力感が低下して、向上心や精神的回復力がゼロになっていてもおかしくないわけです。
もうどうにでもなっていいなら、こんなの読んでないで、自分よりも恵まれている人のことを妬んで悪口を言って、不幸に浸っている方がよっぽど楽ですからね。
だから、まずはそんな自分のことを「いままでよく頑張ってきたね。いつも頑張っててえらいね。」って、抱きしめてあげて欲しいのです。
セルフハグして、賞状でも送ってあげてください。ケーキでも買って自分の名前をプレートに入れて、労わってあげてください。コッピ―からもはなまるをあげます。
これは大まじめですよ。
今まで自分のことを褒めてあげるよりもはるかに多く、自分を否定して生きてきてしまったと思うんです。何でこんなこともできないんだ、自分はだらしなくて、ダメな奴だ、と呪いのように繰り返し思い、否定してきてしまったかもしれません。
その呪いはあなたの自尊心を確実にむしばんできたと思います。
だから、これからはもう誰が何と言おうと、自分だけは頑張ってきた自分を認めてあげると決意して欲しいのです。人に認められるよりも重要なのは自己受容です。あなたの努力を、ずーっと傍で見てきたのはあなた自身ですからね。
心理的適応感を高めるためのステップ
とはいえ、これまで散々自分に冷たくしてきちゃったし、それは癖付いてしまっているから、今更どうしたらいいんだよと思っていらっしゃるかもしれません。
では、もう少し具体的な話をしていきましょう。
以前、ツイートで発達障害児・者が適応する上で重要な要素だと思っていることをまとめました。
現在の大人の発達障害に該当している方々を始めとした、何らかの大きな挫折経験があった人は、この三次予防が必要な段階にあるのではないかと考えています。つまり、「これ以上、同様の失敗経験を増やさず二次障害を悪化or発症させない」ということが目標であるということです。
このプロセスで必要なのが自己受容です。
そのために必要なことを以下2つあげてみました。今までのツイートを引用しながら説明していきたいと思います。
生い立ちを徹底的に振り返ってみる
先ほどの第三予防をするために、自分にとって必要な支援や合理的配慮を求める上で、過去の振り返りと意味付けは重要な働きをすると思っています。
これ意外とすっ飛ばされるのですが、めちゃくちゃ大事です。振り返らずに温めてきた過去には、学びの材料が詰まっています。
これまで、何でこんなこともできないんだっていっぱい否定してきてしまっているので、過去に対しても否定的な感情が多い可能性があります。まずは、過去のダメダメだった自分を許してあげてください。ここからが障害受容のスタートだと思っています。
大人になった自分が過去を振り返ることで、当時の自分や親への見方が変わったり、思わぬサポートの存在を認識できたりすることがあります。
過去を変えることはできないと言いますが、過去への意味付けを変えることで、過去を上書き保存することはできるのです。
自分の特性を明らかにする
自分の考え方のクセを見つけたり、心地よいと思えること、嫌なこと、回復できる方法を知るといった方法を特定していきましょう。ここで障害に対する知識も重要な機能を果たし得ると思います。
言語化の鬼になろう
当たり前ではありますが、そもそも自分の特性を知らなければ、自分にマッチした環境を選ぶことはできません。サポートを引き出したくても、他者に伝える言葉を持っていなければ、助け方も分かりません。
そのためには、まずは日々の思った嬉しい感情、悲しい感情、思い出した出来事、些細なこと何でもいいから記録し、自分の気持ちや行動にラベリングをする名人になりましょう。
この過去への意味付けや、自己理解・障害理解に関する具体的な内容と方法については次のnoteで書いていきたいと思います!
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