『彼方の友へ』


伊吹有喜さんの作品。

もし戦争がなかったら、どれだけの人が幸せな生活を送っていたのだろう。

私たちはたまたま戦争がない時代に生まれただけで、今後二度と戦争が起こらないようにしなければならない。

「でぃあ はつこ しんしありぃ ゆあず」という文が出てきたとき、心がとても温かくなった。

現代もまだまだ男女差別が残っているが、当時の男女差別は今よりももっとひどいと感じた。


印象に残っている文


「僕の唇は甘いのさ。ハチミツを塗っているからね。賢い人たちはキッスが甘いなんて、たとえだと思っている。唇が甘いはずがないと、頭で考えて笑うのさ」「甘いと言われて接吻すれば、実は本当に甘かったりする。勇気を出して体当たりをした者だけがつかんだ真実さ。それ以来、僕は蜜のとりこ。」

社会に出て、世間に揉まれると、青年は年齢不詳な雰囲気をまとってしまう。

「雑誌は本と違って残らない。どれだけ力を注いでも、次の号が出たら消えていく。そんな古雑誌の記事を後生大事に、いつまでも持っていてくれたことが嬉しかったんだ。」

「僕らの言葉は五十の音色を鳴らして作る歌だ」

「女性は強靭だね。ことがおわると、みんな身繕いをする」「男はいっとき。女はそれから。命を育むんですもの」

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