垣谷美雨さんの作品。
定年退職を迎えて、家の中で過ごすことになった常雄。
しかし、妻の十志子や娘からは避けられるようになった。
ある日、常雄は息子夫婦から孫の保育園の送迎を頼まれるようになった。
主人公の「常雄」という名前も、常に男性的な考えで、女性のことを理解できていないということを暗示しているのかと思った。
時代とともに変わっていく価値観。
今は多様性の時代といったところか。
過去に取り残されたままになると、化石のような人間になってしまう。
自分が正しいと思っていることも、周りから見たらずれているかもしれない。
常雄の考えが段々と変わっていくのが、とても興味深かった。最後に息子の将来を思って、意見を言うところが立派だと思った。
印象に残っている文