『迷子の大人』

坂井希久子さんの作品。

東京で介護の仕事をする主人公の梓が、休みの日に電車に乗って偶然着いた場所で地元の人と交流を深めていく。


ホームヘルパーという仕事において、色々と制約があることを知って大変そうだと思った。

見知らぬ人を宿に案内してくれた桂さんはとても良い人だと思った。

星子さんのような考え方を老後に持ちたいと感じた。

梓にも色々と問題はあると思うが、寛治にも問題があると思うので、どっちもどっちだと感じた。

「おばあちゃんたちから学ばせてもらいたい」という目的で開かれる教室というのがとても良いと思った。


印象に残っている文

午後八時発の特急スーパーあずさ33号。この列車に決めたのは、たんに私の名前が畠山梓だから。それだけだった。

「生食の時は横向きに切るといいですよ。そのほうが、辛みが取れます。炒めて甘みを出す場合は、縦ね」

「二年後ならいいけど今はだめっていうのは、それあなた、その人と本気で結婚したいとは思っていないのよ」

同性なのに女の人の裸を見ると軽い罪悪感のようなものが湧き上がるのはどうしてだろう。

「こんにゃく芋は特に手間がかかってね。春に植えて秋に収穫っていうのを、三回繰り返さなきゃいけないんです」

「違う、違う。活躍の場を与えてあげようなんて、そんな大それたことじゃないの。ほら、おじいちゃん、おばあちゃんたちって、知識と経験のかたまりじゃない。純粋にすごいなぁって思うから、『どうか教えてください』って、こっちからお願いしてるだけよ」

ホームヘルパーは医療行為に分類されることや、庭の手入れや障子の張替えといった日常の家事ではない作業に手を出してはいけない。

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