シャドバプロリーグの歴史 ~2018年編~
今年で4年目になるシャドバプロリーグ(RAGE Shadowverse Pro League / RSPL)について、当時のエピソードが散逸してしまう前にそろそろ軽く歴史をまとめてみようと思い立ち筆を取りました。
開幕前史
3月8日
「RAGE Shadowverse Pro League」の発足が発表されます。(関連記事:ファミ通App)
オリジナル参入チームは以下の4チーム。
・au DetonatioN
・名古屋OJA ベビースター
・レバンガ☆SAPPORO
・よしもとLibalent
RAGEやWGP2017で見られた競技シーンの盛り上がりに呼応する「プロゲーマー」の誕生と、月収30万円保証という待遇が目を引くトピックでした。
2018 1st Season
試合ルールは「2pick+BO3+BO3」の全12節。
BO3では現在の競技シーンではあまり採用されていない「アンリミテッド」フォーマットも採用されていました。
各チームが契約した選手は以下の通り。直近の大型大会で実績を残した選手を中心に選ばれました。
ロースター ※敬称略
・au DetonatioN(cross7224、Enju、Shinkey、ミル)
・名古屋OJA ベビースター(さに、あるじ、SOS、えすぴー)
・レバンガ☆SAPPORO(真春、きょうま、Tastsuno、さわさき)
・よしもとLibalent(keisuke3、Surre、ふぇぐ、けんぴ)
5月5日
RAGE Shadowversea Pro League がここに開幕。
RSPLの代名詞となったミル選手による「アーティファクトネメシス」のスーパープレイ(動画)が開幕戦から飛び出し、観客を沸かせました。
8月19日
1st Season Final「レバンガ☆SAPPORO vs 名古屋OJA ベビースター」
開幕5連敗を喫したものの、真春選手を2pick専門にするなどリーグに適応し、驚異の7連勝で巻き返しリーグ首位となったレバンガ、
対するは僅差でau DetonatioNを躱したリーグ2位の名古屋OJA。
4セット先取で行われた試合は、1セットのアドバンテージを持ったレバンガが名古屋OJAを3タテし、4-0でレバンガ☆SAPPOROが初代シーズン優勝に輝きました。
2018 1st Season
・優勝:レバンガ☆SAPPORO
・MVP:真春選手(レバンガ☆SAPPORO)
・ベストバトル賞:ミル選手(au DetonatioN、第1節)
リーグ中断期間
6月29日、7月1日
Season Finalから時系列は前後しますが、2ndシーズンから以下の2チームが新規参入することが発表されました。
・AXIZ
・横浜F・マリノス
これにより、2ndシーズンでは全6チームによって優勝が争われることとなります。
10月2日
名古屋OJA ベビースターがロースターの変更を発表。
マサヤ選手が加入し、あるじ選手はコーチに変更となります。
また、au DetonatioNでもSpicies選手が加入し、Shinkey選手が登録から外れるなど1年目からプロとして結果を問われるシビアな側面も伺えました。
2018 2nd Season
試合ルールは「2pick+BO3+BO3」の全10節。
チーム数が増えたことで総当りが2回行われる形式となりました。
ロースター ※敬称略
・au DetonatioN(cross7224、Enju、ミル、Spicies)
・名古屋OJA ベビースター(さに、SOS、えすぴー、マサヤ)
・レバンガ☆SAPPORO(真春、きょうま、Tastsuno、さわさき)
・よしもとLibalent(keisuke3、Surre、ふぇぐ、けんぴ)
・AXIZ(ROB、GEMO、BO-IN、MISAKI)
・横浜F・マリノス(しーまん、あぐのむ、みずせ、水煮)
10月14日
2ndシーズンが開幕。
開幕戦から新規参入のマリノスが名古屋OJAを、AXIZがレバンガを倒すなど見どころのある展開でした。
2月24日
2nd Season Final「au DetonatioN vs 横浜F・マリノス」
圧倒的な成績でリーグを1位通過したDNG、そして新参入ながらリーグ3位からセミファイナルを制してファイナルに辿り着いたマリノス。
リーグで見せた強さそのままに走りきり、4-1でau DetonatioNが2ndシーズンの優勝を決めました。
2018 2nd Season
・優勝:au DetonatioN
・MVP:ミル選手(au DetonatioN)
・ベストバトル賞:Tatsuno選手(レバンガ☆SAPPORO、第2節)
2018 League Championship
3月10日
「レバンガ☆SAPPORO vs au DetonatioN」
2018シーズンの年間王者を決めるLCSが開幕。競技シーンでは珍しい「2pick BO3」が採用されました。
1stシーズンを8連勝で優勝したレバンガ、そして2ndシーズンを圧倒的な強さで優勝したDNGの決戦は、直近の環境で強さを見せてきたDNGが下馬評では有利と見られていました。
しかし蓋を開けると、ハイレベルな仕上がりを見せたレバンガが4-1で圧倒。チーム4人の総力で初代年間優勝の座を勝ち取りました。
これにて発足年となった2018シーズンのRSPLは閉幕し、いわゆる「ストーブリーグ」、中断期間に入ります。
World Grand Prix 2018
12月15日、16日
RSPLの試合ではありませんが、2018年のシャドウバースといえば世界大会(WGP)の話を抜かすわけにはいきません。
この年のWGP出場選手のうち、プロ所属はみずせ選手、ふぇぐ選手の2人。
中でもふぇぐ選手の凄いところは、WGP出場権の獲得(RAGE優勝)を実績にプロ入りしたみずせ選手と異なり、プロ選手として一から予選大会を突破してWGPの出場権を得たことです。
WGP出場を実績にプロ入り、というルートの選手は数多くいますが、RAGE/JCGを勝ち抜いてWGPの出場権を得たプロ選手は未だ2018年のふぇぐ選手、2021年の水煮選手のみです。
そしてこの大会で劇的な優勝を飾り、賞金100万ドルを獲得した選手こそがふぇぐ選手であるというのはあまりに有名なシャドウバースのトピックの1つでしょう。
発足1年目のプロリーグから世界大会優勝者が出る、という出来すぎとも言えるシナリオの実現に競技シーンは大いに沸きました。
この熱がRSPLに与えた影響も大きく、このWGP2018から多くの選手が2019シーズンのプロリーグに参戦し、相乗効果でプロシーンが盛り上がっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?(様式美)
2018年に発足したプロリーグは
・レバンガの逆転優勝
・新チームの参入
・ふぇぐ選手が世界大会優勝
・DNGの躍進、レバンガの年間優勝
と初年度から大きなトピックが立て続けに生まれました。
世間的に「eスポーツ元年」と呼ばれる2018年、当初は冷ややかなものも多かったシャドウバース競技シーンへの評価・風向きが、RAGEの盛り上がり、そして何よりふぇぐ選手の優勝により確実に変わっていくのを感じた1年でした。
次回は2019年編。様々な「変革」が起きたシーズンをまとめたいと思います。
書きました。