「この世界がきみのために存在すると思ってはいけない」
自宅の近くにできていて気になっていた
よし行くぞと決めて、重い腰をあげる
静かな路地の奥にある 本と喫茶のお店
ストーブと墨の幽香がすっと鼻を抜ける
店主さんの細やかなセンスがあちこちに光っていた
紅茶とシナモンをじっくり煮出した
シナモンミルクティー
コーヒーを飲む気満々でいたのに
メニュー名の下に添えられてる文で心変わりした
ちょっとした何かが、感情や意思判断に及ぼす影響の
計り知れない大きさを、ふと、直で感じた瞬間
目の前にあって読んでみた小説の冒頭に、なぜだか、ドキリとした
読まなければいけない
その思いで店を出たあと書店に行って買った
小説を読むのも、買うのもそういえばすごく久しぶりだ
思想やエッセイとかの内向的なものを好みがちだけども
たまにとても好きだと思う小説に奇跡的に出会えることがある
素敵な場所、素敵なひとたち、本との出会い