ラ・リーガ ーサラリーキャップは必要か
もはや夏の風物詩となりつつある?バルサの選手登録問題。開幕までに獲得した選手が登録ができるかどうかリーガファンの注目を集めました。そもそもバルサが頭を悩ましていたのは“サラリーキャップ”と呼ばれる制度であり、NBAなどでは導入されていますが、UEFAではリーガだけが採用している制度です。夏はバルサだけでなくベティスやアルメリア、バレンシアなど多くのクラブがこのサラリーキャップに苦しみました。リーガのサラリーキャップは効果的に運用できているとは到底思いません。僕なりにサラリーキャップについて考えてみました。
そもそもサラリーキャップとは、プロスポーツチームが所属選手全員の年俸の総額の上限を定める制度のこと。その上限は年間収入の一定の割合に定められます。狙いとして①選手の年俸の高騰を抑えること、②戦力の均衡化を図ること、というものがあります。
①年俸の高騰を抑えること
ラリーガが健全経営によって持続可能なクラブ運営を促すという狙いは理解できます。クラブの身の丈に合わない選手を保持することは経営上の観点から見ればあるべきではないと僕も思いますし。例えばベティスのフェキルはベティスのクラブ規模にそぐわない年俸でしょう。
②戦力の均衡化を図ること
年俸総額の上限が定められることで戦力の均衡化を図り、毎年どこが勝つか分からない競争力の高いリーグにしようという意図があるのでしょう。プレミアリーグの競争力が上がり放映権収入が増大していることへの危機感が見て取れますね。
しかし、リーガはバルサとレアルマドリードという世界的に有名なビッグクラブ、圧倒的二強(またはアトレティコ含めた三強)が牽引してきたリーグ。それがリーガの魅力の一つだったわけです。戦力の均衡化を図る必要は果たしてあるのでしょうか。サラリーキャップがあればマドリーは銀河系軍団を形成することはできないし、バルサが優秀なカンテラーノを残留させることも簡単ではなくなります。サラリーキャップはマドリーの銀河系軍団、ペップ・バルサの黄金時代、その両クラブを支えるエースクリスティアーノ・ロナウドとメッシによって牽引されてきたリーガの歩みを否定する制度なのではないかと思うわけです。高い競争力を手に入れたプレミアリーグがサラリーキャップ制導入によりその競争力を手に入れたわけでもあるまいし。
そもそもリーガは非常に個性的な特色を持ったクラブが多いのが魅力で、横一線に戦力を揃える必要はないでしょう。例えば仮にアスレティックビルバオがいかにサラリーキャップに余裕があろうともバスク人以外を取ってくるということは無いわけですから。一体誰がマドリー、バルサ、アトレティコが優勝争いをしないリーグを望んでいるのでしょうか。
そして、競争力を高める方法はサラリーキャップだけではないでしょう。それこそプレミアリーグがどのように競争力を手に入れたのか分析すればいいと思います。
ここまでグダグダ言ってきましたが、リーガの意図は分かります。僕的に、1番の問題は年俸が高騰していることにあると思っています。セビージャの場合今年のサラリーキャップは約2億ユーロ、30人で割っても1人平均666万ユーロと本来十分すぎる金額です。年俸が高くなければサラリーキャップには何の問題もないのです。
では何故年俸が高くなっているのか、次のnoteで自分なりに考えてみました。
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