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『イジらないで、長瀞さん』に関する考察 長瀞さんの恋とは何なのか編


『恋』旧字体では『戀』
『糸し糸しという心(いとしいとしというこころ)』
と覚えましょう。

「長瀞が…い 一番刺激的だから!!」

6巻41話59ページより
センパイが長瀞さんが好きな理由はこれに要約されていると思います。
キミといるとドキドキすると同義ですよね。もう告白ですよ。

さて、今回も講談社マガポケにて連載中のナナシ先生の漫画『イジらないで、長瀞さん』について様々な視点からエモーショナルに読み解いていきたいと思います。
コミックを手元に用意し読んでいただくと良いかと思います。
※長瀞さんに対して否定的な内容を含みます。


①登場人物としての長瀞さんについて
②長瀞さんとセンパイとの出会いは何だったのか。
③長瀞さんの恋はどこから?



①登場人物としての長瀞さんについて

『イジらないで、長瀞さん』は賛否が分かれる……というよりも『否』の人が強烈な拒否反応を示す作品です。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B091XQW3WB/ref=atv_dp_share_cu_r

Amazonのレビューも基本的に好意的なものは多いですが星1の方の拒否反応はなかなかのものです。

そう感じる人がいてもおかしい事ではないだろうなと私は思います。
ナナシ先生は過去のインタビューでこう言われたことがあります

「さっき言われた通りですけど、自分のフェチ全開なんですよね。だから、誰も彼もが好きになるようなキャラではないと思っています。好きな人は好き、合わない人は合わない、万人受けはしなくて当たり前。「もしかしたら、自分と同じ感性の人がいたら、好きになってくれるかも?」くらいの気持ちで描いています。」

万人受けではないと
160万部売れてるんでとりあえず買った人が全員10巻まで買った前提で16万人に受けちゃってるんですけどね。
まぁ嫌いな人はいるというのは間違いありません。ナナシ先生がそこまでの意図で言われたとは考えていませんが。
私は大好きですけどね。

嫌いな人の意見は多くは
長瀞さんの言動が受け付けない。
あれはいじめだ。
センパイキモい。

この3つに要約されます。
フィクションだとしても流せない。
嫌なことを思い出す。
そういう事はあると思います。
ただ個人の好き好き自体は個人の問題なのでいいですが重要なのはその意見の内容です。
次の項目ではその部分に触れていきます。

ちなみにインタビューの途中に出ていた落書きの様に描いたと言われた『長瀞さんオリジン』とも言える奴はナナシ先生のpixivで見る事が出来ます。
現在の長瀞さんが全然ぬるく感じる長瀞さんが見れます。
※リンク先はエッチな絵もあるので良い子の皆は自己責任でクリックかタップしてくれよな!! 約束だよ!
あとナイーブな人の心が傷つく画像は今はないから安心してくれよな!

実は10年くらい前のものなので『からかい上手の高木さん』のパクリなんて言い方をされる方もいますが世に出たのはこっちのほうが先なんですよね。
勿論『からかい上手の高木さん』がパクリだとは思いませんが


②長瀞さんとセンパイとの出会いは何だったのか。

嫌いな人の意見はこうです。
『あれはいじめだ』

あれはいじめなのでしょうか。

いじめは、自尊心を損なわせ弱体化させることを目的とした、執念深い、冷酷な、あるいは悪意のある企てによる、長期に亘って繰り返される不快な行為である[9]。被害者は人間関係に一生のトラウマを抱えたり、再起不能(引きこもり、自殺等)となる場合もある。
傷害罪、暴行罪、強要罪、恐喝罪、侮辱罪などの犯罪行為として摘発される場合があり、文部科学省の定義においては、一定の人間関係のある人物から、心理的もしくは物理的な攻撃を受けたことにより、精神的苦痛を感じているものとされる。

これに関しては受け手送り手の関係になった場合受け手の主観が判断の基準になるでしょう。

第3話
「正直……イラッとしたり ムカムカしたりはする……
けど……そ そこまで そこまで嫌いじゃないから……かな……
キミと……話したりするのは……」

センパイは比較的肯定的です。

前回の記事で触れた部分ですが3話の時点でセンパイの長瀞さんへの恋は始まっていると考えています。
嫌がっていないとは言いませんが例え嫌だったとしても嫌さのピークは1話2話までです。
その後長瀞さんへの肯定感はどんどん強くなります。流石マゾパイセン。
6話では弄るのは自分だけなのだと考えドキドキしたり
44話では広報の為とはいえ他の男子を弄る長瀞さんを見てむくれたりと長瀞さんから受ける行為に対して大いに肯定的です。

本人たちが良いとしている以上は第三者があーだこーだ言うのは無意味です。

本人たちが望んでいるなら縄で縛ろうが鞭で叩こうが余人に介在する余地はありません。


なのでこの場では長瀞さんとセンパイの関係はいじめではないと断定します。

ただそういう訳にはいきません。
二人の関係性を我々が名前を付けることに意味はありませんが今回大事なのは長瀞さんがどういう女なのかという事です。
つまりは嫌いな人が嫌いになった1話で長瀞さんは何を考えてセンパイに対して対応内容を選んだのか? という事です。

・好きな相手はいじめたい。
相手に認識されないくらいなら嫌がられる事であったとしても相手に反応をして欲しい。認識されたい。
これを『負のストローク』などと言います。
小学生が好きな子をいじめたりするあれです。


行動内容を無視するなら子供のうちは可愛らしいと言っていいかもしれませんがこれには該当しないでしょう。
これを成立させるためにはセンパイにとってのファーストコンタクトである1話の時点で長瀞さんがセンパイに対して好意を抱いていないといけませんが10巻時点でその可能性を感じる描写がありません。
新しいエピソードで一人でも真剣に絵に打ち込むセンパイの姿を以前から見ていた。みたいなエピソードがぶち込まれないと今のところないです。
衛宮士郎の高跳びみたいなエピソード……入るのかな……入らない……よな?


1話時点で長瀞さんとセンパイは何の接点もない赤の他人だったと今のところはそう考えます。
漫画を見て長瀞さんが何を感じたかにせよ。 赤の他人です。好意はありません。
漫画に対して真剣に取り組んでいる事を感じて好感を持った可能性はあります。 ここでは詳しく話しませんが長瀞さんは真剣に取り組む人に対して肯定的な傾向があると私は考えています。
センパイに対して肯定的な感情を抱いたとしてもそれを好意につなげて考えるのは今は難しいでしょう。

なので現時点では私はこう結論付けます。

『いじめがいがありそうだったから』

サディスティックな衝動に身を任せた結果が1話だったと。

その論拠として挙げるのが長瀞さんにはサディズム的衝動があるという事です。
※公式紹介文から長瀞さんにはSっ気がある前提で話は進めます。

サディズム(英語: sadism)または加虐性欲(かぎゃくせいよく)は、相手(動物も含む)を身体的に虐待を与えたり、精神的に苦痛を与えたりすることによって性的快感を味わう、また、そのような行為をしている自分を妄想したり相手の苦痛の表情を想像して性的興奮を得る性的嗜好の一つのタイプである。極端な場合、精神的な障害とも見なされ、この場合は性的倒錯(パラフィリア)となる。巷では語感から佐虐性と言われる事もある。(サド)

『サディズム的』と括ったのは性的興奮を得ているか特定する要素が無いからです。
ビショビショになっているかはともかくドキドキしていることは間違いないでしょう。
センパイを弄っているときの長瀞さんは頬に斜線が入ります。
顔が赤い事の漫画的表現であると考えます。
顔が赤くなるくらい何に興奮しているのでしょうね。
これには複合的な理由が存在すると考えられますしそのタイミングによって理由も様々でしょう。
ただ1話時点の話をするなら恋愛のドキドキではありません。

なので1話では
『加虐的衝動を満足させる為に丁度いいセンパイに対して攻撃を行った』
と考えられます。

たいがいやべぇ女ですね。

擁護ではありませんが長瀞さんはセンパイへの加虐行為に対して反省している節があります。

web版では見れない部分ですがコミック版では話の間にオマケページが入ります。
1話と2話の間のオマケページではばつの悪そうな顔でドキドキしながら
「やり過ぎた…?」
と書かれており
2話と3話の間のオマケページではドキドキしながら
「やり過ぎたかも…」
と書かれています。

ここから読み取れるのはそうせずにいられないという長瀞さんのSAGAがあるのかもしれません。

ここでも何度か表現しましたが長瀞さんの加虐性には衝動的な要素が強いと思われます。 それに対して行動は伴いませんが反省してない事もないような感じと取れないでもない素振りがあり駄目なことをしているという自覚はありそうです。

ここまでのまとめ
長瀞さん1話を読了または視聴して肯定できた人と否定した人の差は以下になると思います。

長瀞さんの人としてダメなところを良しとできるか
そもそもそんな細かい事なんか気にしてない

だと思います。


③長瀞さんの恋はどこから?

さて、加虐の対象だったセンパイが恋愛対象に変わったのはどこなのでしょうか?

これは正直分かりません。
作中にそれを読み取れる部分がありません。
ですが少なくともこのタイミングまでには恋をしていたと判断できるポイントがあります。

1巻のラスト話の8話
センパイの頬にキスをするシーンがあります。
特にキス魔な表現も無いですしキス後無言で照れ笑いをしながら部室から駆けて行くシーンから察するに結構決定的なシーンだと思います。

なのでこの時点までに長瀞さんはセンパイに恋をしたと考える事が出来ると思います。

どこで恋をしたのかに関しては私はシームレスに恋に移行したと考えます。
当然と言えば当然ですが漫画に描かれていない部分にも長瀞さんとセンパイの時間があります。
1巻時点で長瀞さんとセンパイの接点は美術部室だけです。
センパイが美術部室で絵を描いたりなりしているところに長瀞さんが来る事、それ以外の接点がなく、もし仮に1巻のどこかのタイミングでセンパイが長瀞さんを避けて一時的にでも美術部室に行かなくなった場合二人の関係はそこで終了していたでしょう。
それなりの時間を二人は美術部室で過ごしていたと考えられます。

二人はどんな過ごし方をしていたのでしょうか?
二人で会話が盛り上がり長時間二人で話すビジョンはみえませんし長瀞さんも無限にセンパイをイジり続けることもできません。
センパイはほとんど絵を描き続けているのだと思います。
作中でも導入部分ではセンパイはキャンバスの前にいるシーンがほとんどです。 センパイは物語中一貫して絵を描き続けているのです。
長瀞さんは10話の様に雑誌を持ち込んでみたり、散見されるシーンですがスマホ触ってダラダラ過ごすことが多いのではないかと思います。
そんな日常での恋への移行ポイントは
2巻主張版①
真剣な面持ちで絵を描いてるセンパイの背中を雌の表情で見つめるシーンにあります。
よくあるパターンですが真剣に打ち込む姿に何となく惹かれる。
ベタですが王道の理由です。
絵に打ち込むセンパイについて長瀞さんの評価は
5巻38話の台詞

やる気がないのなら美術部など不要という部長に対し長瀞さんが

「勝手にやる気がないとか決めつけないで下さいよ!! センパイは一人でも ずっと…ずっと… クソ真面目にやってましたよ!!」

と啖呵を切るシーンにあります。
ここに長瀞さんのセンパイへの評価が詰まっていると思います。
私はここのシーンとてもいいと思います。

こういうところはフィクションノンフィクション問わずあることです。
真剣に取り組む姿はかっこいいものです。


なので今回のしめは

『長瀞さんの恋は普通に始まった』

です。


余談

アニメ『イジらないで、長瀞さん』6話について

正直な話をすると私はアニメ化とかわりとどうでもいい派の人で基本的には漫画より劣化するするという原理主義的な考え方のある人です。
それでも否定はせずアニメには漫画には無い良さがあると思って観ています。
ただ6話に関しては私は大いに不満があります。

6話は水着回です。
ラブコメでは定番にして王道の水着回です。
うつ伏せのセンパイに長瀞さんが素足で日焼け止めを塗るという他のラブコメでは拝めない刺激的なシーンがある話です。

原作だと23話

私はこの話には期待していました。

このシーンがどれだけエッッッチなシーンになるのかを!!!!

このシーンは作中でも有数のエッチなシーンです。
エッチなシーンなんです。

にゅるにゅるとした液体で!
センパイの背中を!
長瀞さんの健康的な! 褐色の素足で! 蹂躙する!
長瀞さんの上気した頬と! 加虐的な表情!

ものすごくエッチなシーンなんです。

私はアニメーターの手でこのシーンが動画という形でどこまで高められるのか。
それを期待していました。
絵も描けない動画も描けない私ですが
「ここをこうしたらエッチなにあるなー」
「ここのSEはこんな感じだと盛り上がるだろうなとか」
「このシーンは尺取りたいな」
「表情を長く見せるなら台詞足りないな」
「足の指とぬるっとした表現にはこだわりたい」

とか色々と考えました。

でもアニメでは私の想像を下回るエッチさのシーンしかありませんでした。
私の望んだものなど存在しなかったのです。

足りません。まったく足りません。
動画になる良さを感じませんでした。

こんなエッチなシーンを見てこれを自分の手ですごいエッチにしてやる。いたいげな少年の性を捻じ曲げてやろうと思わなかったのでしょうか。
もったいない。
名作とは人の心に傷跡を爪痕を残すものです。
こんなでは次話の射的の時の美少女フェイスで記憶掻き消えるし。

私は悲しいですがアニメ制作って難しいものなのでしょう。
コスト管理やリソース管理と私には分からないものばかりです。
作画自体は良かったと思うんですよ。
全体的に見てしっかり描いてほしいところがサラッと流されたりどうでもいいシーンで尺を稼いだりと正直言って演出面では不満は多いです。
でもこのアニメには期待をしています。

最終話は文化祭がらみかその直後と思いますがアニメとい一つの作品としてどんな落としどころをつくるのか楽しみにしています。

では、11巻発売日を待つADDPでした。
次は長瀞さんから離れた話題です。
またどこかで

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