ファッションは鎧で良い
私が好きなアーティストの一つにTHE ORAL CIGARETTESがいる。
ボーカルの山中拓也さんが以前、どこかでこんなことを言っていた。
私はロックが好きで、音楽が好きで、そこから広がるカルチャー全体に心を惹かれている。
奏でる側がそうであると同時に聴く側もその側面はあるように思う。
本当は弱い人が奏でる強い音楽。
それに救われるのもまた、私のように弱さを抱えた人が多いのではないか。
音楽同様、ファッションもまた弱い人にこそ強く生きていくために必要な存在。
もちろん世の中にはファッションなんて関係なく常に強い自分でいられる人がいることも知っている。
でも私は、そうではなかった。
昔から本当の自分は弱く、心配性で、臆病な部分があることは自分がよく分かっていた。
だからこそ、ファッション、音楽に支えられながら自分をコーティングすることで生きてきた。
ロックが弱い人間が奏でる音楽であるならば、ファッションも同じ。
ロックに通じる力強いファッションは、弱さを抱える人間がまとう鎧である。
ファッションなんて関係なく常に自分らしく、強くいられる人はそれで良い。
でもきっとみんながみんなそうじゃない。
私は自分がそうだったように、身につけるものによって内面が影響してしまう弱さを持つ繊細な人たちを救いたい。
少しでも楽に生きられるのであれば、鎧でも何でも使えばいい。
そして、その弱さゆえに輝く鎧もきっとある。
その鎧によりどんどん自分が変わり、いつの間にか行動も変化していくこともあると信じ、ADDIXYというブランドを通じて誰かの光となる服を届けたい。
何かを信じながら、ぎりぎりの中で生き抜く人の姿は美しい。