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人の心を動かすのはwhatではなくwhy
アパレルブランドを立ち上げ、まる3年が経った。
これまで右往左往しながらも半年に1回のコレクション発表を続けてくることができたのは、間違いなく周囲の方々や、服を手に取ってくださったお客様のおかげだ。
2021年のちょうど今頃、私は「一年以内にアパレルブランドを作る」と心に決めた瞬間があった。
とは言ってもIT系の会社員として働いていた私は、ファッション関連の業界に人脈などあるはずもない。
当時は恥ずかしながら服がどのような流れで作られるのかもOEMという言葉の意味も、何もかも全くわかっていなかった。
"アパレル 立ち上げ 方法"などで検索してみても具体的な方法は出てこない。
ただ、心の中でやると決めた未経験の私がそこにいるだけ、という状況。
吹けば飛んでしまうようなそのささやかな野心は、必死で守らないと簡単に消えてしまいそうだった。
応援していますという言葉
株式会社MISSION ROMANTIC代表/Chapters書店主である起業家の森本萌乃さんが書かれた半分フィクション、半分実話の起業ストーリーには、共感したシーンがある。
主人公がVC(ベンチャーキャピタル)巡りをして、何十社にも断られたとき、最後にかけられる言葉が決まって「応援しています」だった、というエピソードだ。
何かを始めようとする人から事業内容を聞いて、「応援してるね」と言うことは至って普通であり、本来は好意的な言葉だ。
けれど、具体的な手助けがない場合、どこか残酷さもはらむ言葉なのだ。
具体的な手助けはできないが応援している、ということ。
私もこれまで様々な人にいろいろな相談をしてきたからこそ、その時の複雑な気持ちが痛いほどわかる。
それほどに、「それいいね」、と例え思っていただけたとしても実際に力になってくれるかどうかはまた別次元での共感を生まないと難しいのである。
目の奥の色が変わるのはwhatではなくwhy
そんな中でも、これまで手を差し伸べてくれる方、仕事でもないのに前のめりに相談に乗っていただける方がその時々にいた。そして、そういう方々は私がやりたいことの先の、なぜそれをやろうとしているか、に共感いただいた方が多かった。
初期の頃は自分の熱い気持ちを語るのは少し抵抗があった。だからこそ、冷静にどういうブランドをやりたいのか、なるべくビジネスライクに話すことが多かったように思う。
今思うとそれだけでは人の心を動かすのは結構難しい。
話を聞いた人の気持ちが変わり、目の奥の色が変わるのは間違いなく私がなぜそれをやろうとしているか、に触れた時だ。
何をやるかではなく、なぜやるか。
whatの部分が的外れでない限り、人の心を動かすのは確実にwhyだ。
一人では消えてしまいそうな野心も、周囲の方に手を貸していただくことで、たくさん壁にぶつかりながらも走り始めることができた。
関わる人が増えるにつれ、自分の夢には責務が生まれた。
そのこと自体が良い意味でプレッシャーとなり、自分を後押ししながら、きっと良い方向へ導いてくれているように思う。
まだまだ道半ばではあるが、このブランドを通じて生まれる出会いや広がりを大切にしながら、想いを形にする挑戦を続けていきたい。
このブランドが、誰かの心に届き、日常に小さな変化をもたらす存在であり続けられるよう、一人ではなく、共感いただける方と一緒に丁寧に育てていく。
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