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必殺技

りんこはお外が大好き。外に出たいときには、窓のそばに行って、「開けて」と合図を送ってくる。なので、窓を開けるのだが、それにしても毎回毎回開けるごとに、まるでスパイのごとく、慎重に周辺チェックをする。
一歩だけ前足を窓から出して、そっと気配を消す。
周辺の匂いをチェック、敵がいないか確かめる。
異変なしと判断したら、するりと出ていく。
実際、外に出るまでに長い時には数分かかるのだ。警戒心が強いゆえなのだろうか、それとも虫やほかの動物たちの気配が多いのだろうか。

そして、帰ってくるときのりんこがまた秀悦なのである。
普通は、窓を開けてと鳴いたりするものだが、りんこは、鳴かない。
かわりに、2通りの合図をする。

その1.網戸ポロロン技
そう、網戸を琴のように弾くのだ。ダイニングにある小さな窓から入ってくるときの合図。バリン、ボロン、ピロン♪と網戸を爪で弾き、不思議な音楽を奏でる。これ、本当は超絶やめてほしい合図。だって、網戸が壊れちゃうから…。いったい年間どれだけ網戸を張り直していることか…。(泣)

その2. 高跳び体当たり技
「ドバシャーン」という衝撃音がほとばしる技。これは、リビングの大きな窓から入ってくるとき。リビングのこれもまた網戸へ体当たりなのである。ガラスよりも音が反響するということを知ってか、必ず網戸の真ん中らへんをめがけて飛び上がり、体当たりをしてくる。デブりんなので、網戸のリバウンド比率も高いらしく、それにより音もさらに大きくなっていると推測している。網戸ポロロンで気づかれなかったときに、こちらを最終手段として選択している様子。

そして…この合図は、りんこの彼氏たち(そう、りんこは二股女なのだ!)にも伝播した。こないだ、ダイニングの窓から「ガタガタ」と網戸を揺する音がしたので、りんこが帰ってきたと思ってカーテンを開けたところ、そこにはなんとブーちゃん(キープ君)がいた。(笑) そして、その数日後、また音がしたので同じくカーテンを開けたら、ジロちゃん(本命彼氏)がちょこんと座っていたのであった。メンズたちは一応、遠慮があるらしく、網戸ポロロン/高跳び技ではなく、網戸の窓枠をトントンとかわゆい肉球でノックするのみ。これでこそ「The 猫」だと思う。

キープ君のブーちゃん(甘え上手で人懐こい)
本命彼氏のジロちゃん(人見知りで不器用)

今日は決定的瞬間を目撃した。
りんこが戻ってきたとき、ちょうどリビングのカーテンが開いていたのだ。実際に高跳びジャンプをする姿は見たことがなかったので、どうするのか様子を見ることにした私は、ソファの陰に身を潜め、こっそりのぞき見を試みた。すると、りんこは予想どおりジャンプした。その姿は、機敏な動きで地上から飛び上がり、楕円を描くように体をくねらせ、そして、なぜか後ろ足で垂直に網戸のフチを思いっきりドロップキックするというスタイルだった。高跳び体当たりは、ただの体当たりではなかったのだ…。ドロップキックだったのだ!!!
なるほど…想像のナナメ上をいくとはこのことで…。
すごい音がするのも、網戸がすぐによれてしまうのも、ようく納得がいった次第…。
しかし…お転婆すぎる!!!!!!!!!どうしてこんな風に育ってしまったのだー!!!!!!(泣)

そして、ジロちゃんとブーちゃん、こんなすざまじいりんこを取り合うメリットは一体何ですか~??!ママに教えてちょーだい!(泣)

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