第一印象は大事
「そろそろ猫飼いたいよね」
そんな会話が出たのは、我が家の長男(にゃん)こと茶太郎が旅立ってから8年後のこと。
当時はクリスマスシーズン。うちのボクちゃん(息子)に、クリスマスプレゼント何が良い?と聞いたら、ちょうど「猫が欲しい」と言われてたときだった。
我が家はこれまでペットショップで動物を購入したことがなく、たいてい、拾ってレスキューした子とその子の命が尽きるまで一緒に暮らしてきた。
今回もまた、こういう話の展開からどこかで出会うのだろうとは思っていた。
そんなある日、夕食後にお茶を飲みながらFBをスクロールしていたら…
「知人の猫が飼い主を探しています」
というタイトルでFBFが投稿しているのが飛び込んできた。
子どもに動物アレルギーが発生してしまい、飼えなくなってしまったという内容。
こ、、これは…ついにそのタイミングがやってきたのか…?
そう思い、まじまじと投稿につけられていた猫の写真に見入る。
かわいくて、美人さん。とにかく子猫なのに、うつくしい。
しかし、直感で、この子は手がかかるぞとピンとくる。
まだ子供も小さいし、当時は賃貸マンション暮らし。壁でも引っかかれたら面倒なのは間違いない。家族に猫の写真を見せようか迷うものの、これも運命だろうと思い、「ねえ、この子どう思う?」とみんなに聞いてみた。
何なに?子猫?え?かわい~💛え~かわいい~💛
と、男子2名はまたたくまに悩殺。うちの子になってもらおうよと話しが決まり、数日後には受け渡してもらい、あっという間に我が家の家族になった。それが、このマガジンの主人公「りんこ」だ。
手のひらに乗るくらい小さかったりんこ。
飼い始めた当時は、キャットフードよりも、レタスやお芋類を好んで食べ、洋猫の血筋でも入ってるのかしらと思ったくらい、これまで飼ってきた猫とは違っていた。食べるものだけではなく、すべてにおいて、りんこは違っていた。
以前の長男猫、茶太郎はそれはよくできた兄猫で、生まれたばかりのうちのボクにジェラシーを焼くどころか、いつもそばにいて面倒をみてくれる頼もしい性格だった。
一方、りんこは、自分の方が小さい、そして後釜だったこともあり、最初からうちのボクへの嫉妬心が半端ないジェラシックパー子だった。
特に、お風呂上りがすごい。
小さい子がいるうちの夜の時間は、それこそ母は子どもにかかりきりとなる。お風呂のあとなんかは特ににそうなってしまう。体や頭を拭いたり、けがをしていたら消毒をし直したり、歯磨きなどなど、それはそれはかまう項目が盛りだくさん。
りんこは、お母さん(私)がボクの世話に集中するその時間が大嫌いなようで、毎晩のようにその時間が来るとなぜか毛並みを逆立ててボクへ攻撃をしかけ、挙句の果てにボクを部屋まで追いかけまわして押し込んでしまう始末だった。素足を引っかいたりしてしまうこともあったので、ダメよとりんこをたしなめ怒ることもしばしば。
そうすると、りんこは「お母さんの手伝いをしたのに何であたしが怒られるのよ」とたいそうご立腹な様子で、プイっとどこかえ消えてしまうのだった。しかし、これは、どこか部屋の隅で静かに拗ねているというものではなかった。必ずや後日に、あの消えたときにここでこの報復をしたのだなという痕跡が見つかるのである(例えば、ボクの部屋の片隅に落ちていた帽子に粗相をしていたり、ある時には公文のテキストがびりびりに噛み砕かれていたり等。そのたびに家族一丸での爆弾処理班が出動する)。
この子は手がかかる、と思っていたあの直感。
やはり、当たっていたのであった。
あれから6年。だんだんとりんこの性格を把握できるようになってきてはいるが…侮るなかれ、りんこはまだまだ進化中(成長中)なのである。