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あだむう・歌穂
2020年8月3日 23:54
わたしは満月がだいすきだ。いつからかわからない。あの光に心が吸い込まれてどうしようもない。満月のたびに光を求め、何時間でも眺めてしまう。月明かりでできる影もわたしを高揚させる。都会で育った人はあまりわからない感覚かもしれないが、わたしの実家では街灯がほとんどない。懐中電灯を持って出かけないと四方八方暗闇のような世界だ。だが、満月の日はびっくりするぐらい全てが見える。月明